「女神が二度も微笑んでくれました」

 正木佳子さんが、ポーランドのピアニスト、Janusz Olejniczak(ヤノシュ・オレイニチャク)氏の音楽に出会ったのは、今から6年前。テレビ局アルテでのショパン特集の際に放映された映画に、彼がショパン役で出演していた。その時は、本物のピアニストだとは知らず、「俳優にしてはうまいなぁ」ぐらいにしか思っていなかったそう。オレイニチャク氏といえば、昨年のカンヌ映画祭でのパルムドールなどに輝いたポランスキー監督の『戦場のピアニスト』全編に流れるピアノ独奏を担当した影の主役だ。
彼のピアノに惚れ込むきっかけになったのは、99年にご主人からプレゼントされたCD。前述の映画『ラ・ノート・ブルー』のサウンド・トラックや、ワルシャワ・フィルとの演奏が収録されている。
この時、正木さんは27年余り勤めたパリ三越を定年退職するところだったので、「(自分に)何かご褒美をあげたい」と思い、ぜひとも自分の引退記念にオレイニチャク氏を招いて演奏してもらいたいと思うようになった。
そして退職後、コンタクトをとるべくご主人と一路ポーランドへ。ワルシャワでは、電信局で得た情報をもとにワルシャワ・フィルを訪ねた。会うことは叶わなかったが、演奏を依頼する旨を綴った手紙を託すことはできた。
旅行から帰ると、本人から電話が。パリの南300kmにあるジョルジュ・サンドとショパンゆかりの地ノアンでタイミングよく公演があるので、快くプライベート・コンサートの演奏を引き受けてくれるとの返事だった。こうしてご主人との二人三脚の行動力がものをいい、夢を実現しまったのだ。
ノアンで会い、パリで会い、意気投合したオレイニチャク氏とはその後も交友が続き、今では欠けがえのない友人だ。そしてこの6月には、自らが主催者として彼の日本公演を興すことに。「最初の出会いから考えますと自分でも信じられません」。正木さんの努力の甲斐あって、オレイニチャク氏の美しく力強いショパンの演奏を聴ける日本の聴衆は幸せだ。(里)

 

*オレイニチャク ショパン・リサイタル
6/4(水)名古屋 しらかわホール 052.222.7117
6/7(土)北九州 響ホール 093.662.4010
6/10(火)浜離宮 朝日ホール 03.3267.9990

 


 

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