シンプルにお膳立てするのが成功への鍵。
2年前から、自宅のある建物でパーティーを開催しているというシドニーさんとトマさん。
成功するコツなどを聞いてみました。
開催のきっかけは?
シドニーさん:1階の人と話をしていて思いつきました。だから、公式になった “Immeubles en fête”
とも開催日が違うし、独自の発想による自発的なパーティーです。ふつう “fête de l’immeuble”
と呼ばれるパーティーは、特に新しい習慣ではなく、例えば、ずうっと長くこの建物に住んでいた人の話だと、20年前は住人たちが集まって昼食を一緒に食べるというようなことをしていたそうです。 トマさん:このアパルトマンに引っ越して3年ですが、それ以来気に入っている、緑の多い美しい中庭があったからということもありますね。
開催以前と変わったことはありますか?
トマさん:このパーティーを行うようになってから、自然な近所づきあいが生まれ、挨拶だけでなく立ち話をしたり、時には一杯飲んだりすることもあります。
シドニーさん:切らしてしまった塩を借りに行ったりできるようにもなりました。また、中庭の植物の手入れは、主に1階に住むマダムが行っているのですが、住人の目をいつも楽しませてくれる彼女へ日頃の感謝の気持ちを表すいい機会にもなりました。今年は、「若い人たちだけで楽しんで」と毎回参加を断られる老婦人にもぜひ参加してもらいたいと思っています。
アパルトマンの所有者たちの集まりとは違うのですか?
トマさん:そういった集まりで話題になる建物のメンテナンスとか苦情などがほとんど出ず、フレンドリーな雰囲気でパーティーがが進行したことは、開催してみての発見でした。
何を準備したらいいの?
シドニーさん:用意したのは、地上階の住人に頼んで、テーブルを中庭に出してもらい、椅子は自分たちで自宅のを運んだくらい。飲み物やおつまみなどは各自の持ち寄りです。各自の分担を決めたりしなくても、自宅のある建物だから、なにか足りないものがあっても臨機応変に対応できます。例えば、カメラをもってきて写真をとったり、持ち寄ったものがそれぞれの故郷のワインだったり、出身国の料理だったりと意外な隣人の横顔を知るなど、楽しいハプニングにもつながります。
私が住んでいる建物でもやりたいんですが…
トマさん:まずはアクションを起こしてしまうのが大事。日時を決めて、数人に声をかけておくだけであとは余計な準備をしないでほおっておけばいいんです。とにかく開催してしまえば、参加者はみんな満足してくれます。
シドニーさん:第1回目のパーティー開催日は、あいにく天気が悪かったんです。ちょっと迷いましたが、えいやっと始めてしまったら、様子をうかがっていた他の住人も出てきてくれました。もし、そのまま延期を決めてしまっていたら「その後」はなかったかもしれません。
トマさん:パーティーは、19時から始めていますが、入れ代わり立ち代わり住人たちが参加して、0時、1時まで続いてしまう…。次回は、時間を気にしないでいい週末に開催する予定です。
今後の予定は?
トマさん:”Immeubles en fête” は5月27日ということですがそれにはこだわらず、今年も6月にやろうと話し合っています。
シドニーさん:将来は、ノエルの時期に、建物だけじゃなくて、通り全体をひっくるめてのパーティーを企画したいと思っているところです。通りを閉鎖して、クリスマスのデコレーションで飾って…、市などの許可もとらなければなりませんが、それはまず問題ないだろうし…。
手作りの、夢のある企画はどんどん脹らんでいるようだ。(聞き手:里)
シドニーさんとトマさん手作りのポスター。
ふだんは緑が濃い広々とした静かな中庭です。