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●Bon voyage!
 1995年に『プロヴァンスの恋』を発表して以来、音沙汰のなかったジャン=ポール・ラプノーの新作。時は1940年6月、ナチスに占領されたパリを捨てボルドーへと中心を移した政界と社交界の中には、誤って愛人を殺害した有名女優(I・アジャーニ)、フランスの将来を憂える内務大臣(G・ドパルデュー)、新爆弾製造の秘密を握る学者に師事する女学生(V・ルドワイヤン)、脱獄者(Y・アタル)、女優をかばい服役していた作家の卵(G・デランジェール)、ナチスのスパイ記者(P・コヨーテ)らがいる。戦時だというのに、これらの人物たちの一番の関心事は個人の損得や恋愛で、「この緊急時に!」と眉をひそめたくなる輩がいて当然、でも裏を返せば、人の感情なんて非常時だからとてさほど変化するものではないのだ。うまい緩急のつけ方とよく練られた脚本(P・モディアノが参加)で、久々に目も心も楽しめる上質の喜劇。(海)
●Frida
 フリーダ・カーロといえば、相手を射抜くような鋭い目つきの自画像を思い出す。メキシコシティで生まれた画家フリーダは、学生時代に遭った事故で九死に一生を得てからその死まで、後遺症に苦しみ、夫ディエゴへの愛と葛藤し続ける。サルマ・ハイエク(プロデュースも)はハンディを背負ったフリーダを内面、外見からも熱演し、そのきゃしゃな両肩でこの作品を独りで背負っている感がある。ハイエクと比べると監督のJ・テイモーは影が薄い。フリーダの絵画作品に映画のカットをCG処理で挿入するなど安易なアイデア以外はとりたてて監督のカラーを見せるわけではないし、何よりスペイン語ではなく全面スペイン語なまりの英語を使わせるのが、ハリウッド映画とはいえ “嘘” っぽくていただけない。(海)
Racines
A la recherche de son passe, Richard Copans nous transporte au son du jazz, des villes sinistrees de la Picardie natale de sa mere, jusqu’a Vilnius, NY ou Jerusalem sur les traces de son pere, juif americain d’origine lithuanienne.
Le realisateur interroge les decors autant que les personnages : les filatures qui assuraient la richesse picarde, deviennent des carcasses en voie de decomposition ; les campagnes lithuaniennes recouvrent parfois sous la neige de vieilles tombes juives epargnees des pillages. Avec acharnement, des personnages magnifiques tentent d’exhumer la moindre trace d’un passe voue a l’oubli et de renouer les fils d’une histoire souvent tragique, comme ce professeur de Yiddish a la barbe prophetique ou cette genealogiste afro-americaine, qui travaille sur l’esclavage. Autant d’histoires personnelles eclairent le monde. (MK)