フランスでは安心して踊れる。 

 ミュージカル『Cindy』は、主人公がパリ郊外生まれという現代版シンデレラ。異色の舞台装置(ロケット、飛行機)も話題になった。日刊紙ル・パリジャンから「名作を変えた」などという酷評もあったが、それにもめげず、昨年9月、堂々とパレ・ド・コングレで公演。この大舞台にダンサーとして出演したのが中村友紀さん。
 日本で数々の賞を受賞し、2000年に、在外研修員として文化庁からフランスに派遣される。一時帰国し、2002年に再び渡仏。ミュージカル『ノートルダム・ド・パリ』で有名なNDPプロジェクトのオーディションに合格し、同カンパニーの最新作『Cindy』に出演することになり、11人のダンサーのうちの一人として活躍している。
 「自分が出演していると作品がいいのか悪いのかわからなくなってしまいますね。ただ一生懸命踊ることに集中しました」
 日本とフランスの両方のカンパニーで踊ってみて気が付いたことは、フランスではダンサーが安心して踊れる環境が用意されているから、本領を発揮できるということ。おいしい食事はもちろん、出演中は自宅から舞台への送迎サービスもあるし、日本とのケアの違いに驚いた。「出演者も裏方さんもみんなサンパでしたし、フランス語がもう少しできたらよかったかな…」
 中村さんは、日本人ばなれしたエキゾチックな笑顔が魅力的。しかし舞台ではアクロバットも難なくこなす31歳。「いつかフランスで自分の舞台を作りたい!」と夢はふくらむ。
 『Cindy』のパリ公演は無事終了。7月から9月はベルギーとスイスでの公演が待っている。(絹)