★★★ Vanina Michel
かつて、ジャック・プレヴェールの作品を取り上げた代表的歌手といえば、無名だったプレヴェールを世に送りだしたM・オズワルドにはじまり、A・カプリ、G・モンテロ、C・ソヴァージュ、J・グレコ、C・ヴォケール、Y・モンタン、ムルージ、ジャック兄弟…。 彼の生誕100年を記念し、2年前、リオとヴァニナ・ミシェルがそれぞれ “プレヴェール集” をリリースして話題を呼んだ。そのV・ミシェルが、今回の “プレヴェール未発表作品集” 公演では、2人のミュージシャンによるモダンなアレンジをバックに「物その他」や「春の大舞踏会」詩集を中心に歌う。詩情の豊かさはもちろん、茶目っ気たっぷりの言葉遊びもあり、明るさや残酷さといった彼の作品に不可欠なニュアンスを正確に伝えてくれる大人の “プレヴェール集” 。 7日迄(火~土/21h) 22€~14€ *Studio des Champs- Elysees: 15 av.Montaigne 8e 01.5323.9919 ★★Au Limonaire 詩や言葉を重んじるシャンソンの伝統を守り続けるシャンソニエの老舗リモネールは、夏のバカンス中も唯一営業していて頼もしい。ギターを弾きながらシニカルな歌を聞かせるヤニック・ル・ナゲール(7日、8日)、今日のモンテウスと呼ばれるクリスチャン・パクー(20日、29日)、歌とともに詩の朗読では若手歌手No.1のウラジミール・アンセルム(21日、22日)がお勧め。21h30開演。 食事は20h。入場料はないが、終演後、回ってくる帽子に8€くらいは入れたい。 *Au Limonaire:18 Cite Bergere 9e 01.4523.3333 |
V・ミシェル
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●真夏の夜のジャズ 8月になっても、パリのジャズクラブはオープンしているし、プログラムも面白くなってきたのはうれしいことだ。特にがんばっているのが “Sunside”。 5日から7日までは、デイヴ・リーブマン、ジョー・ロヴァノらと共演したこともあるイタリアの中堅トランペッター、フラヴィオ・ボルトロのカルテット。 8日は、最近モートン・フェルドマンの曲だけを演奏しているソロアルバムを出した知的なピアニスト、ロニーリン・パターソンのトリオ。 13日は、やはり最近『サマータイム』というアルバムを出したピアニスト、アントワーヌ・エルヴェ(元国立ジャズ・オーケストラのディレクター)のトリオ。 いずれも21h 15€/18€ *Sunside : 60 rue des Lombards 1er 01.4026.2125 |
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●Susheela Raman ロンドンのインド・パキンスタン系ポップスで、今いちばん話題の歌手の一人がシュシーラ・ラマン。彼女の処女アルバム”Salt Rain” をCD欄でも取り上げたことがあるが、ヒンズー語やサンスクリット語で歌われる曲は、ボクらを夢の境地へと誘う。 3日/21h 12€/15€ *Hotel d’Albert : 31 rue des Francs- Bourgeois 4e 01.4508.5525 ●ブラッチ 東欧のイディッシュ系の音楽などが、今パリで受けているけれど、ブラッチは、25年前から、アルメニア、ロシア、ブルガリア、ルーマニア、ギリシャなどの音楽を演奏し続けている。アコーデオン、ヴァイオリン、クラリネット、ギター、ベースなどの実力派ぞろい、民謡にメロディーやリズムを求めながらも、彼らなりのユーモアも交えたオリジナルなプレイが楽しい。 8日はParc de la Butte du Chapeau Rouge(19e)、9日はParc Montsouris(14e)。 入場無料。 ●ソー公園で室内楽 緑がさわやかなソー公園のオランジュリーで、9月8日まで室内楽を中心にしたクラシックのコンサート。今年はチェコの作曲家の作品を中心にしたプログラムだ。聴き逃せないのは、ドヴォルザーク、スメタナ、ヤナーチェクらの曲を得意中の得意とするターリッヒ弦楽四重奏団(17日)とプラジャーク弦楽四重奏団(25日)。 17h30開演 13€/19.50€ *Orangerie du Domaine de Sceaux : RER B線 “Parc de Sceaux” 駅下車 問い合わせ/予約 : 01.4660.0779 |
Susheela Raman |
●カントゥス・ケルン コンラッド・ユングヘネルが指揮するカントゥス・ケルンは、各声部一人の小編成だが、CDで出ているバッハのカンタータを聴いてもわかるように、どこまでも透明なポリフォニーの中に、強いドラマ性を表現できる合唱団。彼らがモンテヴェルディの傑作『倫理的、宗教的な森』集を歌う。これも聴き逃せない。 23日/21h *ノートルダム大聖堂 : Ile de la Cite 4e |
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