最近、フランスのどのテレビ局でも、昨年ブームを引き起こした「ロフトストーリー」にアイデアを借りた新番組が続々と登場している。番組によって条件などは変わってくるが、投票により一人ずつふるい落とされていき、最後に残った者だけが賞金を手にするという、一種のサバイバルゲームである。
ただかわいくて愛想がいいだけでは生き残れないのはいわずもがな、ときにはリーダーシップをとり、ときには聞き手になり相手の悩みに答え、ときには涙を流し人間的な弱さを見せるなど、いろいろな要素が票数を動かす。
会社の倒産に次ぐリストラなどで明日は我が身というご時世で、去年は管理職についていた人が、今は最低賃金で働いているということも、もう珍しい話でもなくなった。 そこで、人々はこういう番組をお手本にして、どうやったら生き残れるかということを学ぶのかもしれない。
日本ではバブルの崩壊をきっかけに、学歴重視、大企業に就職すれば人生安泰、などという会社神話はとうの昔に崩れたが、フランスでもグランゼコールを出るだけでは、使いものにならないのかもしれない。(えいこ)