Yam woon sen
前号では、読者の方にタイ風鴨のサラダを紹介してもらったが、今回もタイ料理。ピリッと辛く、ライムの酸味がきいた、エビ・豚肉入りの春雨サラダを作ってみよう。わが家では、ちょっと暑い初夏の日になると、決まって登場するごちそうです。
すべての材料を下ごしらえしておいて、みんなが食卓に揃ったというときに、さっと和えるのがいちばんおいしい。
さてその材料だが、春雨 vermicelle chinois150~200グラム、エビ(冷凍ものでいい)200グラム、豚の挽き肉(三枚肉のところで充分)200グラム、タマネギ中2個、赤ピーマン1個、キクラゲ少々、コリアンダーの葉、細ネギ、レタス適量、ライム(あるいはレモン)2個。
春雨は5分くらいゆでてからザルにとって水気を切り、ざくざくっと切っておく。解凍したエビは頭をとって殻をむき、背中に切れ目を入れてから、豚の挽き肉、水で戻したキクラゲといっしょにさっとゆがいておく。こんな風に挽き肉をゆがくと、脂分がとれてさっぱりします。タマネギ、赤ピーマンはせん切り。コリアンダー、細ネギは小口切り。ライムは搾っておく。
さあ、みんなが揃った! エビ、挽き肉、キクラゲを大きなボールにとって混ぜ合わせ、ナムプラー(魚醤)を大さじ4杯混ぜ入れる。ライムの搾り汁、唐辛子の真っ赤なペースト(なかったらきざんだ唐辛子を適量)も大さじ1杯入れたら、残りの野菜を加えてひと混ぜすればできあがり、というスピード料理。味付けは、もっと辛くしたり、酸味を控えたり、と好みでいろいろ工夫してみましょう。大皿にレタスを敷き、その上にこんもりと盛り付けます。エビや挽き肉がちょっとなま温かいという感じの時がうまい。
ムール貝やホタテ貝も入れればさらに豪華になるし、豚肉のかわりにトリのささ身、コリアンダーのかわりにバジリコを使ってもおいしくできる。(真)
●豚の挽き肉
フランスの肉屋さんでは牛肉は挽いてくれても、衛生上に悪いとかで豚肉は挽いてくれません。どうしてくれる! ボクは家でミキサーで挽いてしまうけれど、ミキサーがない人は中華街の肉屋さんへ。すでに挽いたものも売られているけれど、挽き肉は傷みが早い。脂身の多いところ、少ないところ、と好きな部分を選んで挽いてもらうのがいちばんだ。
●唐辛子のペースト purée de piment
中国語では「辣椒醤」と書き、字面を見ただけでも辛そう! 赤唐辛子を練って塩少々を加えただけのペースト。ニンニクその他の風味が加えられていないので、とにかく唐辛子だけのストレートな辛みがほしいときに欠かせない。
●春雨 vermicelle chinois
春雨は、中華の食料品店で大中小のビニール袋入りで販売されている。今回のようにサラダに加えたり、スープに入れたり、春巻きの中に加えたり、焼肉の付け合わせにしたり、シラタキのかわりに鍋物に使ったり、と用途は広く、常備しておきたい食品の一つだ。小麦粉か米粉が原料だとばかり思っていたけれど、表示をよくよく見れば、さまざまな豆の粉が原料でした。
●春雨丼
ボ・ブンというベトナム風春雨丼に挑戦。キュウリとレタス適量はせん切りにしておく。春雨はゆでてから流水で冷まし、水気を切っておく。牛肉適量もせん切りにし、ショウガ、シトロネル、コショウなどで香りをつけ、せん切りのタマネギといっしょに炒め、しょうゆ、ナムプラー、酒、砂糖少々で味をつける。
ドンブリの底にキュウリとレタスのせん切りを敷き、春雨をのせ、牛肉炒めを上からたっぷりとかける。ナムプラー+レモン+砂糖少々を水で割ったソースを脇に添えましょう。さっぱりとした口当たりで、暑い日においしいものだ。