フランスをもっと楽しむ
le media franco-japonais

簡単にホームメードの味が楽しめるアイルランドのパン。

N° 500 2002-05-15

　アイルランドに伝わるパン、ソーダブレッドは、十字に切り込みが入った素朴な焼き色で、外側はかりっと中はしっとりとした優しい風味のパン。フランスのパンにはないタイプだと思います。このレシピは本場のものと違うかもしれませんが、あっという間の手順も気に入って、繰り返し焼くようになりました。ベーキングパウダーlevure chimiqueとベーキングソーダ（重曹） bicarbonate de soudeを使うので、イースト発酵のパンよりも簡単にホームメードの味が楽しめる、クイックブレッドです。

　オーブンを190。cに合わせて熱くしておく。干しプルーンpruneau 5粒を細かく刻んでおく。小麦粉250グラム＋ベーキングパウダー小さじ半杯＋ベーキングソーダ小さじ1杯を合わせてふるいにかけておく。ベーキングソーダがなかったら、ベーキングパウダーを大さじ1杯にする。
　大きなボールにプレーンヨーグルト250cc、砂糖大さじ1杯、塩小さじ1/3杯、刻んでおいた干しプルーンを入れて泡立て器で混ぜ合わす。粉類をもう一度ふるいながら加えて、ゴムベラなどを使って手早く切るように混ぜる。この時、練らないようにすることが大切です。
　ひとまとめにしたら、クッキングシートを敷いて打ち粉を軽く振った天板に、こんもりと丸くのせて、表面をきれいに整える。生地の上からも軽く粉を振って、よく切れるナイフで十文字に切り込みを入れる。熱くしておいたオーブンに入れて25～30分、途中で表面が焦げそうになったらアルミホイルをかぶせて時間まで焼く。　
　焼きたてをそのまま、または冷めたものに好きなチーズをのせて。ほんのり甘いのでおやつパンにもおすすめです。スライスしてから、かりっとトーストし、バターをぬって食べるのもおいしいです。
（ル）　

●小麦粉 farine 　フランスでは、小麦粉は45～150までのtype（タイプ）に分類されているが、粉の中に含まれている灰分（ふすまや胚芽の部分）の量が基準になっている。type45が、いちばん灰分が少なく、家庭の台所では標準的な小麦粉だ。今回のソーダブレッドもこれで大丈夫。type55になると少々灰色がかってくるが、ふつうのパンを作る時やテンプラにも向いている。type140とかtype150は、小麦をふすま、胚芽ごと挽いたものだ。　強力粉か薄力粉かの違いは、粉の中に含まれるグルテン（穀物中のたんぱく質）の量次第。グルテンの量が多ければ多いほど弾力が増して強力粉になる。フランスでは、お菓子用pour les pâtisseriesと表示してあるものの方が、並みの小麦粉よりもグルテンの量が多い。　farine tamiséeは、すでにふるいにかけてある粉だが、値段も張る。ふるいにかけるのは調理直前がベスト。目の細かい大きめのこし器に粉をとり、トントントンと縁をたたくだけの、楽しい作業です。

気ままにエスニック料理。
●鴨のタイ風サラダ　LAP PET 　パリのチャイナタウンはエスニック食材が豊富で安価。このサラダは、豚・牛・鶏肉などの方が一般的なのですが、鴨でやるとおいしいよ～と聞いて、以前からトライしたかった料理です。　まず米大さじ4杯を色がつくまで炒り、ミキサーなどで細かくします。鴨のフィレ肉magret de canard 2枚を5～7ミリぐらいのさいころ状に切ります。ミントの葉30枚ほどは細かい千切り、シブレット、唐辛子小8本は小口切りに。バイマックルー（こぶみかんの葉）3枚は、中心のすじをとり、手で少しちぎります。つけ合わせのキャベツは大きく切って洗っておきましょう。　フライパンにオイルをとり、鴨と唐辛子を炒め、鴨の色が変わったらナンプラー大さじ4杯とバイマックルーを入れ、もう少し炒めます。最後にレモン汁大さじ4杯、炒り米、ミント、シブレットを加えて出来上がり。これで2、3人分です。キャベツにくるんで食べます。
●ベトナムサンド BANH MI THIT 　ベトナム風サンドイッチの中身は、なます、ゆで豚、ハム、コリアンダー、ニョクマム（ナンプラーのこと）などが入っていて驚きの味わい。　まずなます作り。二人分として、ニンジン中２本を千切りにし、ボールに移して塩を全体にぱらぱらと控えめにふりかけ、もみます。砂糖、酢、水同量をよく合わせて、ニンジンが浸るぐらいに加え、15分以上漬けます。　バゲット1本を1/2に切り、中央に切り込みをいれます。そこにバターを薄く塗り、キュウリの薄切り、好みのパテやハムなどの豚肉加工品を入れます。唐辛子の小口切りも少々、その上になますを置き、ナンプラーをふってからコリアンダーをたっぷりのせます。　気持ちのいい季節になりました。さっぱりとおいしいベトナムサンドを持って、外に出かけましょう。