ジャンランビール風味、トリのソテー。 Poulet saute au Jenlain

 「この号はリール特集なので、それにふさわしいレシピを」と頼まれた。そこで頭をひねり、リール近辺で醸造されているビール〈ジャンラン〉でトリを煮てみることにした。
 トリはロースト用として売られているものを一羽もとめ、六つくらいに切り分け、残った骨でスープというのがいちばんだが、面倒なら4人分としてモモ肉を4本買ってくる。関節のところで二つに切り分けた方が調理がしやすくなるだろう。
 エシャロット3個はみじん切り。ニンジン2本は輪切りにしておく。大きな厚鍋あるいはソトゥーズに油をとり、塩、コショウしたトリ肉を炒めていく。中火。軽く色がついてきたらとり出して、油を切る。
 厚鍋の余分な油を捨てたら、エシャロットを入れ、今度は弱火で炒めていく。これが透き通ってきたら、トリをもどし、トロミになるように小麦粉を大さじ1杯まぶす。ジャンランビールを半リットル注ぐ。好みでは濃縮トマト少々を加えてもいい。ここで中火にもどす。木のへらを使って、鍋の底についているうまみを溶け込ませるようにする。ニンジンとブーケ・ガルニを入れ、ネズの実を5、6粒、つぶしてから加える。もう一度塩、コショウ味を調え、沸騰してきたら弱火に落とし、フタをして45分ほど煮込んでいく。
 トリが柔らかく煮上がったらできあがりです。煮すぎるとバラバラになってしまうので注意したい。煮汁が多そうだったら、トリ肉をとり出して冷めないようにしておき、少し煮詰めましょう。
 甘みと軽い苦みがほどよく調和した風味に舌鼓! 付け合わせは、バターライスと炒めたアンディーブ(下の欄を参照)。飲み物はもちろんジャンランです。(真)

台所の本
●Joël Robuchon / Le meilleur et le plus simple de la France

 ノール県の名物料理を取り上げた本はないかなあ、と書店に出かけてみたけれど、見つかったのは、ノール県もふくめ、フランス各地の料理レシピを集めた、この一冊だけだった。ここでもほかの地方に比べると扱いは地味で、ピッツァに近いフラミッシュ、ウナギのグリーンソース添え、カルボナード(牛肉のビール煮)、フランドル風ホッシュポ(オックステイルの煮込み)、黒砂糖入りタルトの5品だけが紹介されている。ポワローネギ入りのフラミッシュがおいしそう。

 写真も豊富、目でもフランス各地の料理を味わえるお買い得の一冊です。(真)

Livre de poche, 7.32




●endive
 サラダにしてよく、煮たり炒めたりしてもおいしい冬野菜アンディーブも、ノール県の名産品。今回のトリのビール煮に添えたアンディーブ炒めはとても簡単だから覚えたい。アンデイーブ1キロは根元の固くて苦い部分をとりのぞいたら、ざくざくと大まかに切る。ソトゥーズかフライパンにバターを大さじ2杯とり、溶けたらアンディーブを加える。軽く塩、コショウし、変色しないようにレモンの搾り汁をかけ回し、フタをして弱火で炒め煮していくだけ。ときどきかき回し、30分もすれば、軽い苦みが貴重な付け合わせのできあがり。