プチ・ボヤージュ
SNCF郊外線とRER 郊外高速線を利用してピクニックに出かけよう!!
イル・ド・フランスで日帰り旅行
●印象派シスレーが描いたロワン川のほとりでピクニック
ロワン川のほとりでピクニック
Moret-sur-Loing(モレ・スュル・ロワン)この町を訪れたなら必ず訪れたいのがロワン川のほとり。水辺の柳の木や水車、中世の建物や教会など美しくて気持ちのいい風景に出会える。ここには、絶対にピクニック持参で行くのがおすすめだ。観光局では、メ印象派の時代のピクニックモと称して参加者に当時の衣装を貸す企画をプロモーション中。周囲の注目を浴びられるので、コスプレ好きな人は試してみるといい。
町中のところどころにシスレーの描いた絵画が掲げてあり、現在の風景と比べられるのが興味深い。逆に、シスレーの絵をもとに、建物を修復しているなぁと伺えたりするのも面白い。
モレのもうひとつの名物が、大麦糖の飴Sucre d’Orge des Religieuses。かつて修道女たちが作っていた製法をそのまま受け継ぎ、一切の添加物を使用せず作り続けているそうだ。大麦糖博物館では、試食をしながらこの飴の歴史や製法をビデオと展示品で見学できる。味はほとんどベッコウ飴なのだが、昔ながらの缶のパッケージにそそられてついつい買ってしまう観光客が後を絶たない。
観光地の宿命なのか、モレにはなぜかクレープ屋さんが多い。ブルターニュでもないのになぁと思いつつ、食事やお茶をするには手軽で美味しいので便利だ。
infos pratiques
■Paris-Lyon駅より約50分。Montargis 方面行き。Moret-Veneux-les-Sablons駅下車。50F。運行数が少ないので事前に案内所で時刻表(horaires)を入手するといい。
■モレ方面出口からまっすぐに延びたav. de la Gareを15分ほど歩くとモレの町に着く。中世の城壁を越えたらすぐ左手に観光局あり。
■Pique-nique Impressionniste
9/16日までの土・日。費用には市内観光、1900年代の服装でピクニック、貸しボート、記念品つき。前週の水曜までに要予約。大人200F/ 子供(-13歳)170F 。
Tel: 01 6070 4166 – Fax: 01 6070 8252■Promenade en Barque (貸しボート)
毎週土・日 14h30-18h00。料金 : 60F(45分)
■トイレ情報:小さな町ながら公衆トイレはあるし、カフェもあるので心配無用。
●ペローの童話と蝋人形がお出迎え目が眩む財宝の城と美しい庭園を満喫
Chateau de Breteuil(ブルトイユ城)
パリの近くでもこんなところがあったのね、と思わせるだだっぴろい大麦畑を行くと、どーんと構えた城が見えてくる。この城が他の城と大いに違っているのは、各部屋に17、18世紀に王家に仕えたブルトイユ家代々の人物と関係のあった、歴史上の人物のグレバン美術館製作(!)の蝋人形が展示されていること。15分ごとにガイドが約1時間で案内してくれる。家具、調度品も見事なものばかりなのでアンティークに興味ある人には目に毒だ。特に、ブルトイユ家の家宝である「テッシェンのテーブル」は、金銀宝石を散りばめたドイツ宝飾芸術の逸品。その価値は、城と数々の調度品+庭園を合わせたよりもさらに上をゆくのだとか…。ため息。また、庭と城内には、「赤ずきん」や「長靴を履いた猫」などペロー作の6つの童話がこれまた蝋人形で再現。こちらも1時間ごとに可愛いドレスを着た女性がお話を聞かせながら庭園を案内してくれるので、子供連れには嬉しいサービスだ。85ヘクタールもの広大な敷地内には、きれいに整備されたフランス庭園のほか、子供たちの遊園地や迷路、森や池など1日楽しめる仕掛けがたっぷり。そのうえ、ピクニック用のテーブルまで設置されているので、気持ちよく屋外での食事ができる。日曜なら軽食が食べられるスタンドも出るので気軽にでかけてもOKだ。見学者を楽しませるために様々なこざかしい仕掛けがあるからといって、この城を単なるお子ちゃま用のテーマパークと思うことなかれ。森林を歩くのは食いしん坊の大人にもお楽しみがあるのだ。実はここでキノコの王様、セップ茸を見つけた。セップ以外にも、よく似たボレ(可食)も見つかる。ただし、得体のしれないキノコももちろんあったので、キノコ狩りには、近くでキノコを探しているその道に詳しい人に教えを請うのが一番だ。
infos pratiques
■RER B 線 St-Remy-les-Chatreuse駅下車。パリより約40分。24F。
■St-Remy-les-Chatreuse 駅より日曜日のみBatobus の運行あり。大人20F(18歳未満10F)。St-Remy
駅発11:00、12:35、14:45、17:30。城発 11:20、12:55、15:05、17:50。
■ブルトイユ城+庭園 59F/ 割引 49F
庭園のみ 38F/ 割引 32F 日本語のパンフレットあり。城の見学は日曜なら11時から(通常は14時)。
Tel 01 3052 0511
■トイレ情報: 城の向かって右側、売店横にトイレがあるので安心。
■駅前に観光局あり。同地区のハイキング情報などが手に入る。Tel 01 3052 2249
●森の中に突如現れる伝説のひとつ目巨人
自然の恵みを感じながら森を散策
Milly-la-Foret(ミリー・ラ・フォレ)
フォンテーヌブローにほど近い小さな町、Milly-la-Foret。ジャン・コクトーが住んでいた邸宅があるので、その名を聞いたことのある人も多いハズ。だけれど現在は、観光名所といえば、この町はずれの森に位置するLe Cyclope(ル・シクロップ)の他をおいてはないのだ。
シクロップとは、ギリシャ神話のひとつ目巨人(キュクロプス)のこと。標識に従って歩いて行くと、300トンもの鋼と数千もの鏡によって作られたその巨大な頭部がナラの森の中にいきなり出現する。巨人の口から延びた舌には滝のごとく水が滴り落ち、本物の鉄道の貨車が中空にそびえ、線路や鉄板が迷路のように張りめぐらされた高さ22.5mの奇妙な建築物は、これまた不思議な空間が展開する内部を見学することができるのだ。
複数のアーティストたちのアートの集合体であるこの巨大な彫刻は、スイス生まれの彫刻家ジャン・ティンゲリーとニキ・ド・サン・ファルをはじめとする同時代のアーティストたちによって、18年もの歳月をかけて1986年に完成したもの。
スイッチが入ると、轟音とともに巨大なベルトと歯車が回転をし始め、重そうな鉄球がゴロゴロと音をたてて彫刻の外側の鉄のチューブの中を転がってゆく。
内部でもガッタンゴットンと動く椅子などの仕掛けに連動。ただし、意外にあっさりと終わってしまうので、見学する際には、列の1番前を陣取ってこの不思議な空間を体験するのがおすすめだ。
シクロップの横にも木のテーブルがありピクニックができるが、周囲の森を散策するのも気持ちがいい。(里)infos pratiques
■RER D 線 Maisse 駅下車。48F。ただし、ここからMilly まで(8km)の公共交通の足はなし。従って徒歩かTaxiで。いっそのこと自転車持参がいいかも。
■車で行くなら、A6をCely-Millyで降り、Milly へ。ロータリーでEtampes 方向を200mほど進むと右手に矢印あり。
■見学(ガイド付)は、毎週金10h15-13h、14h-15h30、土11h-13h, 14h-17h、日11h-13h、14h-17h45。5月~10月までオープン。ただし、10月の最終見学は、土16h15、日17h。料金: 37F / 割引 30F
※10歳以下の子供は入場不可
■観光局 01 6498 8317
■トイレ情報: シクロップは入口横に清潔なトイレが完備されている。