メトロ・イロイロ メトロあれこれ!
メトロと映画、といえばすぐ頭に浮かぶのはその名もズバリ、ルイ・マル監督の作品『地下鉄のザジ』?
だろう。少女ザジは地下鉄に乗りたくてパリまでやってきたのに、肝心の地下鉄はストをしていて結局最後まで乗れない。ベルトルッチの『ザ・ラスト・タン
ゴ・イン・パリ』の中でのパッシー駅、カラックスの『ポン・ヌフの恋人たち』で使われるモンパルナス駅の長い通路、メルヴィルの『サムライ』ではメトロで
の追跡シーンなど、カフェと同じようにパリを象徴する舞台として欠かせないメトロは、数限りなく映画に登場している。
Regie Autonome des Transports Parisiens(おなじみRATPの正式名「パリ交通公団」です)は、普通の駅とはちょっと違う、個性的なメトロの駅めぐりを提案している。ギマールの装飾を忠実に伝えるポルト・ドーフィンヌ駅やアベス駅、アンドレ・マルローの提唱で展示スペース?を設けたルーヴルリヴォリ駅、近くにある貨幣博物館にちなんで巨大なコインが壁に飾られたポン・ヌフ駅、国立工学院と深い関係を持つアール・ゼ・メチエ駅…などを、メトロを乗り継ぎながら訪ねるのもメトロの
違った楽しみかただろう。マニアにはメトログッズを売るブティックをお勧めする。RERのシャトレ駅にあるブティック(月金10h30‐19h30)には、絵葉書、キーホルダー、マグカップ、腕時計、Tシャツ、靴下、シーツ(!)…など、メトロをモチーフにしたグッズやメトロについての本が売られている。なかなか洒落たものもあるので、贈り物にも使えそうだ。
METROをキーワードにインターネットを見てみた。メトロの切符を収集する人、メトロの歴史に詳しい人など、それぞれがメトロに愛情を抱いていることがわかり微笑ましい。ひとつ個性的だったのがメトロのチケットだけを使ってオブジェをつくる23歳の男性ピーター・セルバさんのページwww.chez.com/dayos で、ここでは彼の作品や製作日記などが趣向を凝らして公開されている。突然私事で恐縮だが、乳母車を押すようになって一年にもなる。しかし乳母車を携えてメトロを利用したことはまだ1回もない。乳母車を押す人々の悪戦苦闘ぶりを何度も目にしているからだ。RATPの広報によると、どの駅にも普通の改札の横に乳母車や車椅子が入れる扉があるという。切符売り場の係員に声をかけて開けてもらう仕組みになっている。ただ一度駅構内に入ったのはいいけれど、階段を下りるのが面倒だったり、混んだ車内では迷惑がられたり(広報いわく、ラッシュ時など車内が混んでいるときは、乳母車を折りたたむのが規則)…と乳母車でのメトロの利用にはまだまだ難点が残っている。タウン向けでコンパクトな乳母車を作ることで知られるGRACOという大手メーカーは、まさにこれらの難点を少しでも解決しようと、METRO-SPORT?という乳母車を
発売した。たしかに軽量で幅もスマート、便利そうだ。さて、そろそろあなたもメトロで出かけてみては?でも楽しみすぎて終電車を逃さないように(ところでどのホームにも終電車の時間が書かれた板が掲げられていること、ご存知でした?)。?(海)
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