義母の愛読する女性誌「ファム・アクチュエル」の誌上相談欄を覗いて、ecremerという言葉の使われ方に驚いた。上層の膜をすくい分離させるの意で、クリームの分離などに使われるがここは料理欄ではない。女性は企業という鍋から大型のさじですくい上げられようとしているのだ。仕事攻めにあったかと思うと、仕事がまったくなくなる。書類が消失する。よい出来と評価された書類が反古にされつき返される。任された仕事を他の人間がやり直しているのに気づく。これからは日仏用語表に日本語でのカタタタキの対訳として 残r士er を載せなければならないのだろうか。
相談者は所属組合の企業内での代表に選ばれたところだ。同様の圧力に苦しむ人たちが実状を訴えにくる。それまでは孤立無援だと思っていた。
日本のメディアは、仕事を失ったお父さんたちが近所への手前、家族にまで隠して毎朝「出勤」を装い出かけるのを伝えていたものだ。フランス人はどう取り組んでいるのだろうか。
夫が日本での仕事を失い再起をかけてフランスに戻ったが、無職のままの我々には身につまされる問題だ。相談欄に読者たちからどのような反響が寄せられるか注目したい。(粒々芥子)