Raie aux petits pois
サヤ入りのグリーンピースが出回ってくると本格的な春だ。今回は、南スペイン風にパプリカの美しい朱色と香りを生かしながら、このグリーンピースと白身の魚を煮込んでみた。グリーンピースは、700グラム買ってくるが、サヤから出すと250グラムちょっとになってしまう。魚は白身の魚ならなんでもいいが、きょうは小さめのエイのヒレを4枚買ってきた。大きめのヒレなら2枚買ってきて切り分ける。 ヒレの皮をのぞくのが面倒だという人は、身が締まっていて扱いやすいperche (川スズキ) などのおろし身を使えばいい。魚にレモン半個分の絞り汁をふりかけ、パプリカの粉小サジ2杯、コショウ、塩をまぶしつけておく。
新ジャガ500 グラムの皮をむいて輪切りにし、ココットのような厚鍋の底に敷く。その上に玉ネギ一個を薄くせん切りにして散らす。ローリエの葉2枚とタイムを多めにのせ、水をヒタヒタちょっと手前という感じに注いで、うすく塩味をつけ、火にかける。沸騰してきたら、火を弱くし、フタをして15 分煮込む。
ここであらかじめ皮をむいておいたグリーンピースを加え、その上に魚をのせ、もう15分ほど煮込んでいく。この間にソースの準備。ニンニク4 片を薄く輪切りにする。小鍋にオリーブ油を大サジ4杯とりニンニクを炒める。軽く色がついてきたら、煮汁を半カップ、ワインビネガーを大サジ1 杯、パプリカ小サジ1 杯を加え、よく混ぜ合わせ、ココットの魚の上にかけ、塩味を調える。これででき上がりだが、僕はあらかじめコンガリと焼いて皮をむいておいた赤ピーマンをせん切りにして上に飾り、ココットごと弱火のオーブンに突っ込んで10分。こうすると全体に味がなじむからだ。
魚は思ったよりまろやかな風味で、グリーンピースのうまみが十分に味わえる一品だ。(実)
●台所の本|Eric Solal / Les cles du savoir-cuisiner
テレビの料理番組や “Marie Claire” 誌の 料理ページを担当しているエリック・ソラルのレシピを集めた一冊だ。サケとアルティショーのタルタルなどといったオリジナル料理もあるが、子牛のブランケット、ポトフなどの代表的なフランス料理がほとんど。面白いのは、このレシピを読んでいて頭に浮かぶ、「なぜ長ネギはぬるま湯で洗った方がいいのか?」「なぜマッシュルームをミキサーにかけてはいけないのか?」「なぜ干ダラは皮を上にして塩出しするのか?」といった数々の疑問への答えが出ていること。料理のコツについていろいろと考えさせられます。(真)
●petits pois
4月から7月にかけて、サヤ入りの新鮮なグリーンピースが出回る。キロ15F前後。サヤから出すと40%くらいの重さになるので、4 人でたっぷり食べようと思ったら1キロ半はいる。ちょっと高い気もするけれど、サヤ入りならではの甘さと歯ごたえは貴重で、缶詰や冷凍ものでは味わえない。とはいえ、豆類一般に共通することだが、収穫されてからできるだけ早く調理しないと、このうまさが消えてしまう。そこでサヤがツヤツヤしていて鮮やかな緑色のものを選ぶことが肝心だ。サヤから出した豆は洗う必要はない。さて、調理…
●petits pois à l’anglaise
“à l’anglaise” というと、英国人が怒るかもしれないが、なぜか一番手のかからない水煮を指すことが多い。まず、たっぷりの熱湯に塩を加え、フタをしないで豆をゆでる。煮る時間は、豆の新鮮さや大きさにもよるが、15分から20分くらい。よく水を切ったら熱々を皿に盛り付け、バターを添える。オムレツのようなできるだけシンプルな一品に添えて、グリーンピースのうま味を味わい尽くしたい。
●petits pois à la bonne femme
ソトゥーズか底広の鍋にバターをとり、小さな新玉ネギoignons blancs10個ほどとサイの目に切ったベーコン100グラムを炒める。玉ネギに色がついてきたら、 トロミがつくように小麦粉を大サジ1杯ほど加える。少々炒めたら、水を300cc加え木のヘラでよくかき混ぜる。グツグツといったらサヤから出しておいたグリーンピース600~700グラムを加え、ブーケ・ガルニを入れ、フタをして約20 分煮る。フランスでは柔らかく煮上がった豆を好む人が多く、30分以上煮る人も多い。
出回っている葉付きの小さな新ニンジンを、豆と同時に加えてもいい。子牛や七面鳥のロースト、ポークソテーなどの付け合わせに最高です。
●petits pois à la japonaise
和風なら、なんといっても薄いお醤油味でお米と炊き合わせて豆ごはん。また、グリーンピースはエビとも相性がいい。殻をむいていくつかに切り分けたエビ (安くあげようと思ったら干しエビを使う)、玉ネギや長ネギ少々とかき揚げにしましょう。