干しスモモの甘さを生かしてウサギを煮る。 Saute de lapin aux pruneaux

 なぜか料理のレシピでは鳥volaillesの項に入っていることが多いウサギ、秋が深まるにつれ脂がのってうまくなる。背中の肉がこんもりと盛り上がったものを1羽 (?) 買ってくるのだが、肉屋さんに切り分けてもらいましょう。今回は、プリュノー ( 干しスモモ) と一緒に煮込んだ、フランス南西部風の味です。プリュノーは、黒紫色の肌がふっくらツヤツヤとした大きめのものを500グラムほしい。スーパーや穀物店graineterieなどで売っている。


 まず、ニンジン2本、玉ネギ2個、エシャロット2個、セロリ1茎、ニンニク2 片をできるだけ細かなみじん切りにする。大きなボールに赤ワイン半リットル、ビネガー大サジ4杯、オリーブ油大サジ2杯をとる。さらに、丁字2本、細かくちぎったローリエの葉1枚とタイム1枝を加える。準備しておいた野菜とウサギの肉も入れて、塩、コショウをし、よく混ぜ合わせ、冷蔵庫に12時間ほど寝かせる。プリュノーも、6個だけは、ぬるい紅茶を注いでやはり置いておく。
 肉だけを取り出して水気をぬぐい、小麦粉を軽くまぶす。大きいソトゥーズ鍋やココットのような厚鍋にバターをたっぷりとり、肉にきれいな焼き色がつくように炒めていく。この間に漬け汁をみじん切りの野菜ごと数分沸騰させる。肉がおいしそうな色になったら、漬け汁+野菜をジュッと注ぎ、木のヘラで鍋の底にこびりついたうま味を溶け込ませ、レバーを加え、弱火でフタをして煮込んでいく。1時間15分ほどで、骨から離れそうに肉が柔らかくなっているはずだ。
 この間に、紅茶でもどしておいたプリュノーを、中の種を除いてからミキサーにかけてピュレ状にし脇にとっておく。残りのプリュノーは、肉が煮え上がる30分前に鍋に加えます。
 煮え上がったウサギを取りだして冷めないようにしておく。煮汁を少々煮詰めたら、プリュノーのピュレを加えて混ぜ合わせれば、甘酸っぱい極上ソースのでき上がりだ。ウサギにゆでジャガを添え、ソースを別の器にとって食卓へ。ワインは、ビュゼのこってりとした赤はどうだろう。 (実)

●lapin

パリの肉屋さんで売られているウサギのほとんどは、1.2~1.5 キロくらいの若 いウサギで、肉が柔らかい。味が淡泊なのでハーブをきかせたいところだが、きかせすぎると繊細な味が殺されてしまうので、その加減がなかなかむずかしい。このくらいのサイズのウサギは、前足pattes 2本、モモcuisses 2 本、背肉r叡leを2つか3つに切り分けるのがふつうだ。バサリと出刃でブツ切りにするような肉屋さんは修業が足りない。上手な肉屋さんは関節のところに包丁を入れて切り分けていく。というのも、ウサギの骨はとがったままで折れやすいから危険なのです。食卓でサービスするときは、まずお客に「あなたはモモ、それとも背肉?」などと好みをきくのが礼儀。
●pruneau
紫色のスモモ (ジロンド川のほとりアジャン産が名高い)を乾燥させたものだ。キロ30~50フラン。料理に使う時は、薄目の紅茶にひと晩浸してからの方がふっくらしておいしい。プディングやブルターニュ名物のファールなどに欠かせないし、フルーツサラダに入れたり、アーモンドあんこpate d’amandesを挟んで可愛いお菓子を作ったりすることも多い。アルマニャックに漬けただけというのも辛党にはうれしい。パーティーではプリュノーのベーコン巻きに人気がある。ウサギ、豚、七面鳥などの肉との相性もよく、モロッコでは、子羊の肉といっしょに煮込んでタジン (蒸し煮) にする。
●patrelle
今回の料理のような赤ワイン煮は、仕上がりの色が、やや青みがかった薄い赤だったりして、美しくない。そんなとき、濃いめのカラメル少々を加えると、たちまち深い琥珀色になり、とてもおいしそう。かといっていちいちカラメルを作るのは面倒という人は、小瓶に入ったこの濃縮カラメルを備えておくと便利です。大きなスーパーや穀物店で売っています。