10月に、ブルゴーニュ地方のウォッシュタイプのチーズ、エポアースを紹介したが、今回はベルギーとの国境が近いフランドル地方のマロワール。塩水やビー ルで表面を洗われながら1カ月近く熟成される。四角い形をし、その表面は赤みがかったオレンジ色でスベスベしている。その身はクリーム色で柔らかくねっと りとした感じ。匂いも味も「チーズの交響曲の中でサックスのように響く」とたとえた人がいるくらいに個性的だ。1000年以上の歴史を持っていて、ルイ9 世やフランソワ1世もファンだった。ワインは、コット・デュ・ローヌなどのコクのある赤がほしい。 ●Beaufort 標高2000m近いサヴォア山地の放牧牛の乳から作られる香り高いボーフォールも、6カ月近い熟成期間が終わって食べごろになる。コンテの親戚だけれど、薄く切って噛みしめると、繊細な風味が次から次へと花開いていく。 |