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日産自動車の経営立て直しのためにルノーから派遣されたカルロス・ゴーン氏 (45) は、6月25日の株主総会で、「今、日産は業績がよくありませんが、熱意と誇りがあれば、日産を回復と成長の軌道に乗せることはできると確信しています」など2分間にわたって日本語で挨拶した。 ブラジルに生まれたが、祖父はレバノン人、アメリカで7年間生活し、パリで大学を終え、パスポート上はフランス人という国際人だ。1978年にタイヤのミシュラン社に入り、89年には北アメリカのミシュラン代表になって、リストラに力を発揮した。96年には、60億フランの赤字に苦しんでいたルノ社ーのシュバイツァー社長に見込まれて、ナンバー2として入社。ベルギーのヴィルヴォルド工場を閉鎖するなど、”コスト・キラー”としておそれられてきた。 日産へ36.8%の出資をしたルノー社が、カルロス氏を日本に派遣したのは当然といえば当然の話。「世界のさまざまな国を知っていてもあまり意味がありません。日本に来ると新入生に逆戻りです。(…) 私の仕事の出来不出来は、どこまで日産の社員を理解できるかにかかっています」と語るゴーン氏は、4月以来、毎朝7時から日本語を勉強してきたという。 今度の株主総会では、ホワイトカラーなどの人員削減と人事部門の一部の分社化を発表、”コスト・キラー” の片鱗を見せ始めている。(真) |