夏休み。フランス各地を発見してみたいが、ガイドブックはなにがいいだろう。
人気があるのはGuides Gallimard。カラー写真が豊富だし、たとえばプロヴァンス地方に限っても “Var”、”Bouches du Rhone” など5冊でカバーしていて、とにかく詳しい。名所旧跡だけでなく、各地方の自然や風俗にも多くのページがさかれている。旅行に行かなくてもいいような気分になってしまう。一冊160F前後と高いのが欠点。コンピュータを駆使したレイアウトもちょっと読みづらい。
最近出版が始まったHachette Vacancesは、Guides Gallimardの弟分という感じ。プロヴァンス地方だと一冊ですんでしまうし、一冊80F。写真も多用して一般受けをねらっている。
「地球の歩き方」を思わせるガイドブックがGuide du Routard。写真やイラストがなく、名所旧跡についての記述も簡略すぎるけれど、値段の割にはおすすめできるホテルやレストランが掲載されているので、ガイドブック一冊で済ませたい人には便利。バスや列車などを使う人にも親切な情報が載っている。75F。
でも、やっぱりGuide Vert Michelinがいちばんという人が多い。カラー写真が少ない分、レイアウトがスッキリしていて読みやすいし、図を使っての教会や城の説明も要点をよくとらえていて正確だ。さすがタイヤの会社だけに、車を使った周遊コースも選び抜かれているし、所要時間もきちんと記されている。一冊66F、全23冊でフランスを一周できる。
ホテルやレストランの情報というと、ミシュランの赤ガイドがあまりにも有名。毎年、レストランの星の数をめぐってマスコミが騒ぐ。各市町村間の距離も明記されているし、地図もしっかりしているし、サービス・ステーションの住所も出ているし、車でフランス全国を駆けめぐろうという人には欠かせないバイブル。赤いミシュラン人形印のレストランは、手ごろな値段のおいしい店ということで、ネライです。95F。
Guide du Routardもフランス全国のホテル・レストランガイドを出している。高級ホテルは載っていないが、それぞれに簡単な記述があって、どんな街にあるのか、騒がしいかどうか、どの部屋が気持ちがいいか、など大体の感じかわかる。レストランも星付きはないが、エスニックな店も掲載されていて若者向きになっている。99F。(真)
*値段はFNAC調べ。
パリ近郊のガイドブック。
お金がなかったり、バカンスがとれなかったりして、パリに残ることになった人には、Institut Geographique Nationnal (国立地理研究所) 発行の “Autour de Paris” がおすすめ。フォンテーヌブローやランブイエの森、モーやムラン近辺、オワーズ川など、1日、2日をかけて、ゆっくり歩いたり、サイクリングをしたり、バードウォッチングをしたり、船遊びをしたり、城を見学したり、などなどいろんな楽しみ方ができるコースがたくさん紹介されている。夏だけでなく四季を通じての素晴らしいガイドブックになるだろう。110F。(真)