●人種差別から生まれた犯罪? 5月14日夜、ガール県にある人口10万人のヴォヴェールという町で、旧市街の広場で騒いでいた若者たち (団地に住む、ほとんどがマグレブ系移民の2世)に向かって、近くに住む住民1人が発砲し、2人に重傷、3人に軽傷を負わせた。15日も若者たちと旧市街の住民の対立が続いていたが、16日未明、35歳の男が、彼の車のまわりで騒いでいる若者グループに5階から発砲し、ムニールさん (19) が撃たれて死亡。住民の25%が極右の国民戦線党に投票する区域だけに、人種差別による犯罪という抗議の声が上がっている。 ●「命のカード」は失敗? 社会保険のコンピューター化に欠かせない切札として1年前に登場した “Carte Vitale 1” は、3750万枚が配られたが、医師の約2%しかそのカードを受け付けていないことがわかった。そのうえ、薬局や総合病院ではほとんど使用できず、3年後には “Carte Vitale 2” に切り替えられる予定になっていて、今までにかかった経費70億フランは無駄づかい? ●アルバニア系難民には狭き門 4月8日からの9日間で、アルバニア系難民の受け入れを希望するという電話が45万件近く寄せられた。ところが、受け入れ条件を満たしていなかったり、思い直す人が出たりして、DDAS (各県の衛生・社会対策局)は、最終的には全国で2500軒の家庭が受け入れ可能と判断。あまりの少なさに、国レベルでの難民受け入れ対策を講じるべきだ、という声が強い。 ●ナント勝つ 5月17日、スタッド・ド・フランスで行われたサッカーのフランス杯決勝は、第1リーグのFCナントと第2リーグのCSスダンが接戦を繰り広げた。後半12分、審判の判断ミスに近いペナルティ−のおかげでナントが1対0で辛勝。 ●戦勝記念日に反戦歌 5月8日の戦勝 (第2次世界大戦) 記念日、 アリエ県モンリュソン市の戦没者慰霊祭で、10歳の小学生2人がボリス・ヴィアンの『脱走者』を歌った。21日、クレルモン・フェラン学区は、その小学生を担当しているアンドレ・ピノン先生を “生涯停職” の処分に。セゴレーヌ・ロワイヤル教育担当相は、処分が行き過ぎであるとし、ピノン先生の復職を検討中と語った。「子供たちにとって、ヴィアンの歌は、戦争の悲惨さをいちばんよく表現しているのです」とピノン先生。 ●「きわめて残酷な犯罪」と検事語る 5月22日夜、ジェルス県モンフォールの人里離れた別荘で、オランダ人4人が殺害されているのが発見された。3人は後ろ手に縛られて喉を切られ、もう一人は射殺。ふだんは野外に駐車されている車をガレージに隠したり、門にチェーンを巻き付けて不在を装ったりなど周到な犯罪で、プロの仕業という見方が強い。 ●フランスの柔道衰えず 5月23日まで、スロバキアのブラチスラバで開催されていた欧州柔道選手権でフランスチームが大活躍。女子ではサラ・ニキロ (48kg級) とセリーヌ・ルブラン (78kg級)、男子ではラルビ・ベニブダウ (66kg級) とステファン・トレノー (100kg級) がそれぞれ金メダルに輝いた。 ●”Promesses tenues”、”Palmares provocateurs” 5月23日、第52回カンヌ国際映画祭が終了したが、審査委員長デビッド・クローネンバーグの意向を反映してか、一般には知られていない監督や女優に賞が集中、授賞式会場には驚きや不満の声が上がった。今年のグランプリに輝いたのは、ベルギーのダルデンヌ兄弟が監督した “Rosetta”。審査員大賞にはブルーノ・デュモン監督の “L’Humanite”。監督賞には “Tout sur ma mere” のペドロ・アルモドヴァル。主演女優賞は “Rosetta” のエミリー・ドケンヌと “L’Humanite” のセヴリーヌ・カネール。主演男優賞は、やはり”L’Humanite” のエマニュエル・ショテ。 |