ビストロやブラッスリでの食事はフランスらしくてなかなか良いものですが、たまにはもうちょっと手の込んだ料理が食べてみたい、かといって懐具合はちょっと寂しいし…。そんなときにおすすめなのが15区にあるLe Tire Bouchon。シェフのローランさんとマダムのイザベルさんが暖かく迎えてくれる、こじんまりしたレストランです。
「これ以上お店を大きくするつもりはないし、何よりもお客様に落ちついて料理を味わっていただきたい」とイザベルさんのいう通り、オレンジ色の壁のシンプルな店内にゆったりとテーブルが置かれ、客席は25席ほど。ご主人のローランさんの作る料理は、あくまでもフランスの伝統料理を守りながらクミンやショウガなどのスパイスやハーブをうまく取り入れたオリジナル。
アントレのワタリガニのムースは、磯の香りに爽やかなアニスのソースが心地よいさっぱりとした味わい。メインはしっかりと身が締まっているホロホロ鳥のブランケット。クリームソースにセレス酢のすっぱみがかすかにきいていて、重すぎず、かといって物足りなさを感じさせない一品。ワインはすっきりとしたChinonを。デザートは、マンゴのスープに始まり甘草入りのプリンなどを経て洋梨のポシェまで、丁度一口で食べられるくらいの5種類の盛り合わせです。最後にコーヒーを頼んで二人で320F。
1回来たお客さんの顔はだいたい覚えているという、イザベルさんの細やかなサービスもうれしく、何回も行きたくなるレストランです。(淑)
Le Tire Bouchon
Adresse : 62 rue des Entrepreneurs, 75015 Paris , FranceTEL : 01.4059.0927 (土昼・日休)
メニューは昼夜ともに、100F(金土を除く)と170F(5週間毎に内容が変わる)。