最新映画情報

● L’Impitoyable lune de miel !
 テックス・エイヴリーのアニメは、体がビヨーンと伸び縮みする登場人物が特徴。エイヴリーのアニメを見るアメリカの子供って、アメリカの繁栄を象徴しているようでほのかな憧れがあった。
初めてフランスで公開されるビル・プリンプトンのアニメ。彼もまたエイヴリーに親しんだ世代。でも、魔法が使える主人公グラントのやることっていったら、彼の性的ファンタスムを満たすかのごとくセックス中に奥さんのオッパイを巨大にしてみたり、仲の悪い義母に意地悪したりと、よい子には見せられないことばかり。でも、大人のアニメというにはあまりにもばかばかしいかな。すべて監督の手で描かれたこの作品、色のバリエーション一つとってもディズニーなんかに比べて質素だけど、特殊撮影やらコンピューターグラフィックで失われた、素朴な暖かみが感じられる。

(章)

● Memory and desire
 ニュージーランド映画なのに出演者のほとんどが日本人。全編英語なのと、現代日本の風潮を無理に映像化した違和感は拭えないが、ともあれテーマは「慎ましき日本」。性の問題を克服しえない新婚カップルの、言葉少なきなかに秘められた愛情、苦悩。その押し殺した沈黙の中に突如弾けるパッションが控えめなるエロチシズムを醸し出す。
 新婚旅行中に先立った夫が忘れられず、思い出の地ニュージーランドの浜辺で半狂乱におちいる女。その後の若干極端にみえる展開は「一途な日本女性」を表現しようとしたのか。「家」に囚われる封建色や彼女の狂喜が解けるくだりに安易さが見えるが、まだ消えぬ日本人像を伝えんとする苦心が感じられる。昨今注目されるニュージーランド映画界の放つニキ・カロ監督の処女作(今年カンヌの『批評家週間』部門に出品された)は、緩急のリズムの不調和さがどこか不気味で官能を刺激する映像を見せる。

(味)

● L’Ecole de la chair
 人間の肉体は金銭で買えても、感情までを自由にすることはできない。そのことを十分に承知しながら、自分より年の若い男を「所有する」ために財力と労力を費やす中年女性(と一言で片付けるには美しすぎる?)を演じるイザベル・ユぺールの静かな存在感に圧倒される。傍らで仙吉=カンタンを演じるヴァンサ ン・マルチネーズは、その役柄にぴったりの野良犬にも似た野生味に溢れているとはいえ、所詮影の薄い存在でしかない。
  三島由紀夫の原作がどう扱われているかというより、監督ブノワ・ジャコがこの作品で見せたかったのは、プライドの高いひとりの女 =ユぺールが自己を崩壊し喪失し、すべてを達観し開き直るまでの微妙な感情(表情)の変化で、それがこの作品の核をになっている。

(海)


Livre
● “Ou s’embrasser a Paris”
 アムールの街、パリ。様々な恋人達が、様々な場所で愛を囁いている。パリは多くの恋愛映画の舞台だ。この本はキスシーンの撮影場所のリストではないが、いかにパリが映画的な街であるかを描く。いくつかの代表的映画のキスシーンはもちろん、ロマンチックな映画館、映画のようなラブシーンを体験できるスポットなど、ロマンチックなパリが紹介される。実際に実行するかは別として、このガイドは気分をロマンチックにさせてくれる。けど本当にロマンチックなのはキスをする場所ではなくて、キスしている瞬間、キスした場所、そのsensationと 想い出…。

(岳)

*Parigramme社刊 35F

 


 

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