日本(旅)館にようこそ。

 学生寮と聞くと、門限が厳しく、他人と相部屋だからプライベート云々なんて言っていられなくて、自分専用の電話なんてもちろんなくて、端の吊り上がったメガネをかけた、いかにも恐そうな女性の館長が寮の規律を見張っている、などなど悪いイメージばかりが付きまとって敬遠していた。きっとイギリスの全寮制なんかを想像していたんだろう。パリの南にあるパリ大学国際都市にある日本館はちょっと違うんだよという友人の話で、さっそく遊びに行ってみた。
「大学都市は広いけど、日本館はすぐ見つけられるよ」という友人の言葉通り、日本館はすぐわかった。温泉宿やナントカ城っていうのを思い出してしまう外見。これ以上和風にはできまい、という見かけからしてもうすでに私の想像していた学生寮からかけ離れている。現在日本館には68部屋あり、日本人留学生の他にも、各国から来た学生が住んでいる。学生だけでなく、サバティカル・イヤー (一年休暇) で来ている大学の教授なども利用していて、幅広い年齢層の人に利用されているのだ。
 部屋はカップル用の部屋以外は全て個室。部屋には電話が引かれている。これなら、電話を使いたいのに他の人の長電話のおかげで苛々させられる、なんてこともない。もちろん門限もない。おまけに家具も新品だし、シーツも二週間に一度の割合で取り替えてくれる。部屋の掃除は週に二回あるし、ホテル並のサービスが受けられる。至れり尽くせりなのだ。各階に一つあるキッチンには、下駄箱のように個別に区切られた冷蔵庫まである。この台所が社交場となっていて、「今日は何を食べるの?」なんて会話があって、なかなか楽しそうだ。
 こんなに居心地良さそうなのに、家賃はたったの1800フランで、貧乏学生にはありがたい。ただし入館希望者が多いため、なかなか空きがなくて入れないのが残念だ。
 ところで、こんな温泉旅館的な外見なんだし、どうせならパリ唯一の銭湯なんかを設けてくれたら、いっそう楽しい学生寮になるかも。 

(章)

● パリ大学国際都市

Cite Internationale Universitaire


 パリの南端に位置するシテ・ユニヴェルシテールには、約40棟の学生寮がある。写真の建物の中には、音楽練習室、図書館、学食、プールなどが入っ
ていて、一部の施設を除けば、学生なら誰でも利用できる。各館で催されている映画会やコンサートは一般の人でも利用できるし、400ヘクタールの敷地内は
散歩に格好の場所だ。

 ちなみに、ここの学食を利用するフランス人の中には、外国人の留学生と知り合いになる目的で来ている人も多い。ちょっとしたナンパのメッカとなってます。



 

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