フランスと南米 N° 418 1998-06-15 フランスの新聞・雑誌界には「マロニエ」という言葉があります。このマロニエは木のことではありません。記者の専門用語です。10年以来新聞の読者数はどんどん減っていますから、販売部数を伸ばす主題が編集部には必要です。これが「マロニエ」です。毎年2~3回いつも同じテーマの特集が戻ってきます。たとえば、どこに金を投資するとか、夏休み前にやせるための最良のダイエット法とかの記事が、毎年のように雑誌に登場します。だが、「マロニエ」も取り替えなければならないので、編集者は新たなテーマを考えます。 1997年以来人気を呼んでいる特集はラテン・アメリカです。 “ル・ポワン” のような総合誌、”テレラマ” のような娯楽誌、”ワールド”のような専門誌がこのテーマを利用し、雑誌の売上げを伸ばしました。「フランス人にとって、1980年代の南米は不況や貧困の同義語でしたが、1990年代末のラテン・アメリカは、成長の再来や喜びを意味し、多くの人が、この地方について読んだり聞いたりしたいと思っています」と、南米専門家は説明します。 ラジオ・ラティナという専門ラジオ局も2年前から聴取者の注目を引いています。最近の日本ではイタリアがブームで、フランスでは南米ですが、フランス人はこの地域をまだよく知りません。そこで新聞・雑誌はラテン・アメリカを紹介し、生活様式から音楽まであらゆる角度から検討しています。 (クロード) Share on : Recommandé:おすすめ記事 フランスにもいたオモシロ候補。 冬空や青い目玉で五七五! 「人間的な、あまりに人間的な」 ブリュッセルからシャンソンの新風が。 初の依頼人はドンキホーテ? 念願のウィンブルドンで優勝。