コニャックの香りの帆立貝料理。Coquilles Saint-Jacques flambes au cognac

 5月末までが食べごろという帆立貝の値段が下がり、きょうは3キロで100フランと手が届きそう。殻をきちんと閉じたものを14個選んでもらったら3キロちょっとになった。あとで開けるのが面倒な人は魚屋さんに頼みましょう。ただしヒモ barbe ももらって帰ること。
 ヒモや苦味のある黒い部分をはずしたら、貝の柱とオレンジ色の舌 corail (生殖器) を冷水で丁寧に洗う。クッキングペーパーでぬぐい、柱は横に包丁をいれて2枚に切り分ける。鍋に水と白ワインを100ccずつ入れ、ブーケ・ガルニも加えて5分ほど沸騰させて香りを引き出したら、柱だけを加えて3分ほど火を通す。
 フライパンやソトゥーズにバター大サジ3杯をとって、水気を切った柱を加え、2分炒める。塩、コショウ。ブランデー 50ccを温めておき、フライパンに注いでフランベさせる。炎が消えたら、マデール酒やシェリー酒、あるいはマルティニ酒の白などを100cc加える。なかったら先ほど柱を煮た、水と白ワインのミックスをしばらく煮つめて同量加える。この場合は砂糖も少々足す。オレンジ色の舌を入れ、好みでは別に炒めておいたマッシュルームの薄切りを入れるのもいい。
 グツグツッとしたら、フライパンを傾けて煮えすぎないように帆立貝を片側に寄せ、生クリームを大サジ山盛り4杯加えて、少々煮つめる。ここへ、よくほぐした玉子の黄身2個分+生クリーム大サジ1杯+煮汁少量を混ぜ合わせたものを一気に加え、弱火で温めていき沸騰寸前で火を止めればでき上がり。
 コニャックの香りが移った帆立貝やビロードのごとき極上のソースを、ごはんを添えて味わいましょう。ワインはシャブリの白などを奮発したい。 (実)
● 材料 (4人分) : 帆立て貝2~3kg、好みでマッシュルーム150g、玉子2個、白ワイン、コニャック、あったらマデール酒やシェリー酒、バター、生クリーム、塩、コショウ
● 帆立貝 coquille Saint-Jacques

パリの魚屋さんに並んでいる帆立貝はノルマンディーやブルターニュからの天然もの。9cm以下は捕獲禁止になっているので、ふつう10~15cmの大きさです。重く殻がしっかりと締まっている貝を選びたい。水を流しながら殻の表面をブラシでこすって洗ったら、ナイフでこじあける。むずかしかったら、熱くしたフライパンか天板の上に、貝の丸くなっている側を置くと、自然に殻が開いて仕事がやりやすくなる。

● 帆立貝のソテー

材料が新鮮ならシンプルな料理ほどおいしい、という好例。柱と舌だけを使います。さっと洗い、ふきんで水気をとり、塩、コショウ。小麦粉をまぶし、余分な粉をはらい落とす。フライパンにバターをとり、熱くなったら貝を入れ、両面にきれいな色がつくように焼き上げるだけ。別の鍋にバターを一人当たり大サジ1杯溶かし、レモンの絞り汁も加えて貝の上からかけます。パセリやエストラゴンのみじん切りを散らしましょう。ブロッコリーやグリーンアスパラをさっと茹でたり炒めたりして添えたら、いろどりも春らしい美しさ。

● 帆立貝のヒモ barbes

“La barbe ! (ウンザリだ)”などとサジを投げずに、ヒモを丁寧に洗って適当に切り分け、醤油と酒と砂糖で煮つけると、コリコリッとおいしい酒の肴になる。ショウガの香りをきかせたい。白ワイン+塩+ショウガで煮る洋風もなかなか。翌日が味がしみてうまい。

● 帆立貝の弟分 pétancle

魚屋に時々、帆立貝をそのまま小さくしたような貝が積んである。このペタンクルは、柱のつき方も兄貴にそっくりだけれど、まったく別の貝らしい。いちいち殻をこじ開けてグラタンなどにするのは大変だ。僕は、ブルターニュに住んでいる友人に教わったように、ムール貝と同様白ワイン煮 à la marinière にして味わいます。