保守陣営は、極右FN党の甘い誘いで分裂寸前になってしまった。

 3月21日、日刊紙 “リベラシオン” の表紙に「HONTE ! 恥辱」という一語が大きく掲載された。
 というのも、その前日、地域圏会の議長選挙がおこなわれたが、ピカルディー、ブルゴーニュ、ローヌ・アルプなどの 5地方で、極右の国民戦線党 FNの票が保守連合に投じられ、その候補者が議長に選ばれてしまったからだ。この5つの地域圏会では、15日の選挙で左翼連合が保守連合を上回る議席数を得ていたが、ブルーノ・メグレ FN党書記長が「最少限の譲歩がみられれば、保守連合に投票する」と誘い水。その狙いが、保守を分断して自党の勢力を伸ばすことにあるのは明白だったが、地方を牛耳るという魅力に負けた保守党 (5人ともフランス民主主義連合 UDF に属している) 候補者は、まんまとその誘いにのせられてしまった。
 特にローヌ・アルプ地域圏会の議長に選ばれたシャルル・ミヨン氏は、反FN 党の旗印を掲げていただけに、そのショックは保守陣営の方に大きかった。彼は FN 党との裏工作を否定するが、同じ派に属するドヴァヴラン議員は「裏工作がなかったのに奇跡のごとく票が流れてきたなどというのは、私たちを馬鹿にしている」と厳しく批判する。 そして、同じ UDF のリーダーの一人、バイルー議員は、保守中道の新党結成の意向を示す。
 23日の夜、崩壊寸前の保守連合にあわてたシラク大統領は、テレビを通じ「FN 党は人種差別主義の性格を持つ政党であり、保守は極右とは決して妥協すべきでない」という主旨の声明を出し、5人の議長の退陣をうながした。
 大統領は、FN 党進出を助けた比例制の選挙制度を改める必要があるとも説いたが、そんな表面だけの変革が極右の防壁になるのだろうか。「失業や社会不安の原因は移民にある」という 、FN党のキマリ文句になっている主張と、はっきり一線を画した社会政策を打ち出すことができるかどうかにかかっている、と思うのだが 。 (真)
    
41.96%
地域圏会議員選挙棄権率
34.39% (731議席)
左翼連合(社会党・共産党・緑の党・他)
35.78% (718 議席)
保守連合(共和国連合 RPR ・フランス民主主義連合 UDF・他)
15.07% (275議席) 極右 FN

5.21% (22議席) 環境保護派4.33% (24議席) 極左 LO 他 2.66% (31議席) 狩猟釣自然党