子どもが日に日に大きくなる姿には、親でなくてもカメラを向けたくなる。ファン・ゴールデンは自分の娘ダイアナが生れてから、18年間彼女の写真を撮り続けてきた。パパが撮った娘の写真が100枚だから、これはふつうの「家族のアルバム」。ところがこの、私的な一枚一枚のダイアナの写真にうきうき、ハラハラさせられる。 展覧会のタイトルの “Youth is an art (若さは芸術)” は、オスカ−・ワイルドの表現だというが、展示を観たあとで妙に納得した。私的なのに全く押しつけがましさやうっとうしさを感じなかった理由が、そこにあるような気がするからだ。もちろん、作家のセンスや18年間の記録という息の長さと点数の多さも大きな理由。でも若さそのものの不思議な力があるから、「他人の子」なのに見ていて嬉しい。コンピュータの中のペットでさえ成長すると嬉しい。表情豊かな本物の子なら喜びも幾百倍。 赤ちゃんが10年も経つと、やけに足の長い少女になり、あっという間に化粧して (きっとデートだ) 出かけるようになる。だんだんと、彼女がこれ以上大きくなるのが不安になってくるのは、老婆心か、それとも自分がこのころから悪い子になったからなのか。 (美) *DAAN VAN GOLDEN 展 3/1日迄(月休) 他の展示込みで20F Institut Neerlandais : 121 rue de Lille 7e M。: Assemblee Nationale |