ウディの世界を覗き見 Wild man blues 監督:バーバラ・コップル

 ウディ・アレンと、フランスもしくはヨーロッパは、相思相愛の仲。彼の新作のワールド・プレミアはたいていがこちらの映画祭だし (『Harry dans tous ses etats』は昨年のヴェネチア)、本国をさしおいていち早く封切られるし(『Tout le monde dit I love you』など)、そして必ずヒットする。何故って? フィーリングが合うとしか言いようがない。彼の描く自己分析的ワールドはとってもフランス(もしくはヨーロッパ)的だ。もうフランス人が愛して止まない、自分のことを少々自嘲的に喋りまくり、喋ることでほっとするセラピーそのものなのだ。彼の映画はどの作品も基本的骨格はあまり変わらない。それでも観客は季節の便りを待つように新作を待つ。ちょっと(吉)がロメールの新作を待っているのと似ている。
 これだけ愛されれば悪い気はしない。ウディはヨーロッパが好きだ。この間、結婚式をヴェネチアで挙げてパリに新婚旅行に来た。趣味のクラリネットが高じて結成したジャズ・バンドを率いてヨーロッパツアーをしてしまったのは2年前。その時のドキュメンタリー『Wild man blues』まで公開される。ニューヨークから来た友人が驚いていた。「アメリカでは彼は変人と格付けされてマイナーな存在。多くのピューリタンにとって、妻の養女とできちゃうなんて許し難いことなんだ」
 ま、とにかく『Wild man blues』はファンには必見。彼の日常生活を覗き見し、ついには本物の両親を目の当たりにし… ますます彼の作品世界を納得してしまうかも…。 (吉)


◆ Le festin chinois
舞台は香港。善玉コックと悪玉コックが満漢全席料理 (熊の掌、象の鼻、猿の脳)で一騎討ち、と日本によくある “料理人”劇画をそのまま映画にしたような痛快喜劇。監督は、「天空の剣」や「北京オペラ・ブルース」といった傑作を撮ってきたツイ・ハーク。主演は大人気のレスリー・チャンで、コミカルな味がなかなか。素早いテンポで繰り出されるギャグは秀逸だし、料理を作る手際は、カンフー映画に負けないアクション!…場内爆笑、ヨダレも出てきます。そして、料理はやはり愛、という教訓もあってちょっとホロリ。「伊豆の踊り子」のパロディーもおかしかった。

 

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