「チーズ屋さんの話では、カンタル県の隣り、オート・ロワール県の同名の町で作られているチーズ。おいしそうだったら、こんな無名のチーズにも挑戦してみたい」
直径15センチ、厚さ3センチ、表面は灰緑色で白カビが吹いている。切り口は薄いクリーム色で、青緑色のカビがところどころに見える。軽い酸味が感じら
れるけれど、牛乳チーズならではのまろやかさがある。皮ごと食べてもあまりカビの風味はなく、おとなしすぎるくらいだ。
「こんな風に柔らかいチーズはパンにたっぷりと塗ってサンドイッチにするのがいいだろう。ワインもあんまり凝らずに、近くのアルデッシュ県の赤なんかがいい」