OVNI 402 : 1997/10/1 N° 402 1997-10-01 ■ 世界一の観光国フランス 96年の観光客数は6240万人、97年度は10~15%増。ドイツ人(1330万)、英国人(1000万) を筆頭に、交通費の値下りやドル、ポンドの高騰、爆弾テロの減少で観光客が増加。出費額はスイス人が 1位 (平均 2万フラン)、 次に日本人(11,000フラン)。 観光収入は国内総生産の8.9%、約100万人が観光業に携わる。 ■ ニコラ君刺殺の未成年犯裁判 96/9/6日マルセイユで、口論中少年(15)がニコラ君(14)をナイフで刺し殺した事件の非公開裁判が、9/10日開廷。被告は6歳の時姉弟と共に施設に送られ、93年アル中の父親の死後も施設を転々とし暴力と軽犯罪を繰り返す。11日少年に、未成年には異例の懲役10年刑の判決。ニコラ君の父親ブルガ氏は、未成年犯罪の累犯防止のため、未成年犯の閉鎖施設の設置を当局に訴える。 ■ 仏国内でも精神病患者に不妊手術 1920~75年にスウェーデンで優生学上「好ましくない」人々約6万人に強制的に不妊手術を施していた事実に次ぎ、9/10日付 Charlie-Hebdo 紙によると、仏国内の精神科病棟の患者約15,000人が、家族又は医師の判断で不妊手術を施されている。倫理委員会は、不妊手術は専門的な外科医の責任の下で行われるべきとし、全面的には禁止していない。心身障害者家族協会は、倫理委の見解は優生学につながるとし、警戒を呼びかける。 ■ 一月から電話局の選択が自由に フランス・テレコムの独占市場も終わりを告げ、1/1日からの長距離電話(市外・国際)自由化で、9/15日テレコム、ブイーグ、セジェテル(Cégétel) 3社が抽選で頭番号を選定。テレコムは現在の〔0〕 の代わりに〔8〕、ブイーグは〔9〕、セジェテルは〔7〕 に。今まで通り〔0〕を押すと、市内電話を99%独占するテレコムを利用することになる。今後請求書が各社から送られるか、テレコムが代表して請求するか技術面で折衝中。競争に備え、テレコムは10/1日から市外通話料金を21%、 国際通話料金は17.5% の値下げ。 ■ 6歳の少女が法廷で証言 95/4/5日アパートの通路で少女(当時4歳)を暴行した容疑者のEDF職員(43)の重罪裁判で、9/16日少女が証言。未成年者に関する裁判は非公開だが、両親は性犯罪者への警告のために、と公開を希望。被害者家族協会は、公判が未成年被害者の後遺症をさらに深めることを危惧する。 ■ 社会保障税 (CSG) の引上げ 赤字財政の社会保障資金源として91年に設置されたCSG税率は97年度は 3.4%。政府はこれを一挙に7.5%に引き上げ、代わりに医療保険率5.5%を0.75% に下げ (公務員は4.75%→0%、 課税対象の年金生活者・失業者は3.8%→1%)、 貯蓄課税を20.9%→25% に上げる税制改革案を発表(9/18)。この操作で民間企業社員の購買力は1.1%上がるが、公務員他は差引ゼロ。 CSG収入は1500億フランから3300億フランに増え、所得税 2900億フランを上回る歳入額に。 ■ ロワシー空港に2滑走路追加 9/20日政府はロワシーに2滑走路の増設を公式発表。緑の党のヴォワネ環境・開発相は党員や地元の反対意見に対し、騒音公害の対策を政府に迫ることを約束。現在1時間の発着数82機に対し、 2 滑走路の追加で120機に。 ■ノルマンディのチーズにリステリア菌 カルヴァドスのチーズ工場Quesneyの livarot, pont-l’evêque, pavé d’Auge等で11人がリステリア症に。リステリア菌は妊婦の流産や死産等を招く。9/18日、同工場の閉鎖と商品回収命令。 ■10月8日:国鉄の 4組合がスト 「賃金・雇用・35時間労働」協議会を控え、35H労働に対し39H給与を要求。 Share on : Recommandé:おすすめ記事 11月21日の国鉄スト情報。 中学校教員殺害事件の公判が始まる。 前代未聞の〈マザン事件〉裁判始まる。 トラン・トゥ・ニャーさんの闘い − フランスで枯葉剤訴訟。 人気コメディアンの解雇と、揺れるメディアの自由。 広島・長崎の原爆語り継ぐ4日間、トゥールで開催。