Q:まずお名前から、間違えちゃいけないので教えてください。西畑さんですよね?
西畑:親孝行の「孝」に一番の「一」で孝一です。
Q:親御さん、というかご出身は?
西畑:生まれは大阪なんですけれど、実家というか両親は今軽井沢でハンバーグ屋、洋食屋をしています。
Q:現在シェフとして仕事をしていらっしゃるということは、ご家庭で修行それとも料理学校へ?
西畑:僕は野球をやっていて、野球がしたくて大学を目指したんですが、ああいう体育学科を受けるとスポーツができることが前提じゃないですか、するとそのあとは頭が良いかどうかが勝負になる。結局僕は頭が良くなかったのかもしれなくて、2年で諦めて親父が行った料理の専門学校へ入りました。
Q:どこへ?
西畑:大阪の辻学園です。大阪には辻が二つ、辻調理学校と辻学園がありますが僕は辻学園、有名じゃない方です。
Q:その後は?
西畑:辻を出てから1年だけ大阪のホテルで働いたんですが、そのホテルが幸か不幸か潰れてしまったので退職金というか賠償金をもらったおかげで東京へ行って、色々勉強をさせてもらいました。
Q:料理はもともとお父様の職業だったので抵抗なく?
西畑:まあそうですが、ぶっちゃけ親父の職業だったので母親を見ながら可哀想だと思っていました。僕はどちらかといえば母親が料理を作る手伝いを良くしたおかげで自分でも料理を作るようになったのかな、と思っています。ただ最初は野球選手になりたいと思っていたので。
Q:阪神ですか?
西畑:いや僕、近鉄なんです。
Q:えー!うちは阪神です。
西畑:まあ関西圏はみなさん阪神ですよね。親父が近鉄好きだったので。
Q:近鉄、バッファローズですか。
西畑:バッファローズです。それで近鉄に入りたいと思っていたら、近鉄もなくなるし(笑)。
Q:確かに(笑)!ポジションは?
西畑:ピッチャーだったんですよ。
Q:花形じゃないですか!
西畑:教えるのが好きだから、野球選手じゃなかったら学校の先生になろうとも思ったんですけれど、さっきもお話しした通り大学にも行けなかったので… だからコックさんというのは三番目の選択だったんです。
Q:コックさんという言葉を使った、ということは最初から洋食を目指していた?
西畑:まあ。でもはじめはパン屋になろうかなと。近くに美味しいパン屋さんがあって、こんなに美味しいパンを作れればいいなと思って、まずは料理全般を学べる学校へ行こうと思いました。ただ辻調理師専門学校だとその名の通り「専門」しか学べない。もう一つの親父の行った方は、まず全部を学んだ上で自分の選択ができるということでしたので、パンもあり、サービスもあり、中華も和食も全部やった上で選べるので、とりあえずこちらの学校、辻学園の方へ行って、10年ホテルに勤めれば立派になれるというイメージを持ってホテルへ入ったものの、そのホテルが潰れために路線変更をせざる得なかった。
Q:なるほど 。潰れてしまったホテルの賠償金のおかげで東京へ行った。その後は?
西畑:働いてみたもののうまくいかず職場を転々として。
Q:パン屋さんで働いたんですか?
西畑:いや、もう普通にレストランに入りましたが、銀座の某レストランに入ったらすごくハードで。
Q:そんなに?
西畑:僕らはおそらくしごきがあった時代の最終世代だと思います。
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