12月31日(火)まで
伴侶ピエール・ベルジェとともに、アートコレクターとしても有名だったイヴ・サンローランは、キャリアを通して自分のデザインする服でアーチストへのオマージュを表現し続けた。本展では、そんなアートとの対話をテーマにした作品50点が見られる。
アートとの対話の出発点となったのは、1965年秋冬のコレクション。母親から贈られたモンドリアン画集に想起を得て、一連のモンドリアン・ルックを生みだし、〈動く芸術作品〉の誕生に世界が魅了された。また、このドレスのためにサンローランが四角いメタルのバックルをあしらった靴をデザインし、ロジェ・ヴィヴィエが靴にしたものをカトリーヌ・ドヌーヴが1967年の映画『昼顔 Belle de jour 』で履いて大ヒット。映画のタイトルから『ベル・ドゥ・ジュール』と呼ばれるようになった。
彫刻家のフランソワ=グザヴィエとクロード・ラランヌ夫妻とのコラボレーションも1965年に始まった。この年サンローランは、ヴォーヴァン通りの自宅にバーカウンターをラランヌ夫妻に注文。クロード・ラランヌは1969年のコレクションで、伝説のモデル、ヴェルーシュカの上半身の型をとってビュスチエを作り、薄絹(モスリン)のドレスを飾った。クロード・ラランヌは、この他にも、彫刻のようなアクセサリーを作り出した。