脱原発をめざす核物理学者。
ベルナール・ラポンシュさん

 11月2日から4日まで、パリで反核をテーマにした《世界社会フォーラムForum Social Mondial (FSN)》が開かれる。市民によるフォーラムは、資本主義によるグローバル化された世界ではない、「もう一つの世界は可能だ」と訴えて、世界の市民から賛同を得た。

 今回、FSNの一環である反核世界社会フォーラム (FSMAN)の組織委員会に、フランス核物理学の重鎮で、ジョスパン内閣のドミニク・ヴォワネ環境相の科学顧問を務めたベルナール・ラポンシュさんが参加している。

1960年代には、仏原子力庁の技術者として原発建設に関わった。また、原子力産業界の労働組合CFDTにも関与してきた。専門のプルトニウムを研究する中で、この放射性核種の危険性に気づき1975年に警鐘を鳴らした稀な専門家だ。そして福島の事故後、過酷事故が起こる公算はフランスでも大きいと訴えた。

— なぜFSMAN に参加されるのですか。
BL:原子力の民事・軍事使用は、実は深く絡み合っています。地政学的な重要性からも、それが引き起こす被害の度合いからいっても、また、国の境界を越え拡大する点からも世界的な問題なのです。

グローバル化した核の体制を前にして、反対派が多くの国で、つまりウラン鉱山で被害を受けた国々、政府が原子力を導入した国々、核兵器を所有している国々­­-フランスもそうですが-で、 発電に原子力を基幹とすることに異議申し立てをしています。私にとって反核世界社会フォーラムは、こうした国々の状況と闘いを知り、国際的な原子力体制が世界を覆い尽くす事態に抗する国際的なネットワーク作りを提案するために、かけがえのない場なのです。

— 現在、日仏が共同研究をすすめる高速実証炉〈アストリッド〉計画など、日仏の原子力協力は今後どのようになるでしょう?
BL:日本もフランスも同様に、プルトニウム系の核開発に乗り気です。つまり、軍事利用を念頭に、使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを抽出すること、プルトニウムとナトリウムを使って増殖炉を開発する計画です。

 数年続いた重大な故障を経て1998年に停止したフランスの 〈スーパーフェニックス〉や、日本の〈もんじゅ〉の事故の後、〈アストリッド〉はフランスで建設されることになってはいますが、このような計画は、重大な困難*にぶつからざるを得ません。

まず安全性、そして計画の予算からみても、高速炉系の未来は暗いのです。公表された〈アストリッド〉の建設費は50億ユーロ。その上、核燃料の製造や、使用済核燃料の再処理に関して新たな技術力が必要です。要するに財政的に大きな問題がある。こうしてみると、私は〈アストリッド〉は結局建設されない可能性の方が大きいだろうとみています。

30のテーマと討論が催されるFSMANに、ノーベル平和賞を受賞したばかりの国際NGO、ICAN(核兵器廃絶キャンペーン)も参加する。多くの市民がこれらの討論を聞いて目覚めてほしい。(kolin)

2012年には、日本語版も出版されている。

《第3回 反核世界社会フォーラム》
3ème Forum Social Mondial Antinucléaire
11月2日(木)~4日(土)
世界社会フォーラム (FSM)から派生した (FSMAN)は、2016年3月東京を皮切りに、16年夏のモントリオールに続き、パリは第3回目。レピュブリックに近い3カ所のBourse du Travail (労働会館)で行われる。要登録、参加料10-20€。登録はサイトから:
fsm-antinucleaire2017.nuclearfreeworld.net
*global-chance.org/IMG/pdf/gc37p80-92.pdf


 

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