2023年のフランスの出生数は67万8千。前年比で6.6%減った。今世紀の出産ピークだった2006年より20%少なく、第2次大戦後で最低の数値に。フランスはひとりの女性が一生の間に産む子の平均数 (合計特殊出生率)で今世紀は2010年の2.03人をピークにおよそ1.8~1.9人の水準を保ってきていたが、22年は1.79人、23年1.68人と下降が続く (2020年のEU平均は1.5人、独1.53人、最低は伊1.24人、西1.19人)。インフレなどの経済的要因、不安定な国際情勢、気候不安により子どもをもつことを躊躇する傾向など様々な要因が挙げられる。 2023年の出生数と死亡数の差(自然増減数)はプラス4.7万人(出生数のほうが多い)だが、これも第2次大戦以降最低だ。この状況を受け、マクロン大統領は1月16日の会見で「人口の再武装」を掲げ、育休を現行12ヵ月から6ヵ月間に短縮し、手当額を上げる 「出生休暇」構想を発表。”再武装”という表現も不評だが、 「子宮は政治マターではない」「産む、産まないは女性が自由に決めるべき」、など批判の声が上がった。