カンヌでパルムドール受賞作、
ポン・ジュノ監督『Parasite』。

©The Jokers / Les Bookmakers

カンヌ映画祭の話題作が早くもフランスで劇場公開だ。監督は『グエムル−漢江の怪物−』『オクジャ/okja』のポン・ジュノ。シネフィルから支持されながらもしっかり大ヒットを飛ばし、ネットフリックスも才能に目をつける幸せな韓国の鬼才だ。まだ本原稿の執筆段階で受賞結果は出ていないが、「何かの賞に絡む」という声が優勢である(追記:最高賞パルムドール受賞)。

極貧家族と富豪家族の出会いの物語。貧乏なキ家は、父(ジュノ作品常連のソン・ガンホ)・母・息子・娘の家族全員が失業中だ。半地下の狭く汚い場所に住み、wifiは隣人から無断利用。ピザの箱作り内職で生活を乗り切る。片やパク家は大金持ち。二人の子供に家政婦や犬がいる。ある時、キ家の息子ギウが、パク家の娘の家庭教師に入る。それから両家は奇妙な形で接近するのだが……。

カンヌの記者会見では監督と主要キャストが揃った。監督は「ジャンル映画だが古典的な方法で撮ってない。(映画の)コードを崩しながら、社会についてのメッセージを転写した」と説明した。ここで浮き彫りになるのは極端な格差社会。極貧家族の描き方は、日本の『万引き家族』と比べてみるのも一興だろう。“激情のジュノ/抑制の是枝”の違いはあれど、ともにアジア人監督の硬質な問題意識が刻まれている。

本作は90%以上が室内シーン。「この映画の監督経験は(初期の代表作)『殺人の追憶』と似ている。数々の不思議な出来事で親密な細部を見せるから」。ここ数年、大作を手がけてきた若き巨匠にとって、ある意味で原点回帰かも。しかし、みなぎる緊張感とエネルギーの噴出は大作にだって負けてない。家族ドラマにスリラーとブラックコメディが溶け合う快作だ。駄作知らずのジュノ、恐るべし。6月5日公開。(瑞)


 

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