La folie en tête – Aux racines de l’art brut
ヴィクトル・ユゴーの家で、なぜアール・ブリュット展なのか。それは、ユゴーの兄ウージェーヌと次女のアデルが精神障害に陥ったことに関連している。アール・ブリュットはジャン・デュビュッフェが作った言葉だが、この言葉ができる前から、精神科医たちは患者の作品に注目し、コレクションしていた。それを「アール・ブリュットの源」と呼んだ本展は、19世紀末から20世紀半ばにかけて、スコットランド、フランス、スイスの3人の精神科医と独ハイデルベルク大学が集めたコレクションから200点を紹介している。
精神科医の中には趣味で絵を描く人がいた。治療の一環としてデッサンを勧める人もいた。彼らは創作が精神に与える影響を知っていた。患者の作品展を病院の内外で開いた医師もいた。評判となってコレクターがついた患者もいたという。「旅するフランス人」と呼ばれた作家は、壁紙のような柄に抽象的な絵を組み合わせた作品で意表を突く。治って退院したら、まったく違う作風になったた刺繍作家ヨハンナ・ナタリー・ウィンチュの入院時代の作品もある。英独のコレクションを見る機会は少ないので、こんな作家もいたのか、と発見が多かった。質の高さと多彩な作風に圧倒された。(羽)
3月18日まで。 8€/6€ 月休。
Maison de Victor Hugo
Adresse : 6 place des Vosges, 75004 Parisアクセス : M°Saint-Paul/ Bastille