バター風味カラメルをたっぷり吸ったリンゴが美味!

 リンゴは今が食べごろ。今回はタルト・タタンtarte Tatinに挑戦。フランス人大好物のデザートでビストロのメニューにも欠かせない一品になっている。ふつうのパイとは逆に、オーブンに入れる型に直接果物を敷き、パイ生地を上にかぶせて焼いてから、引っくり返すので、〈tarte aux pommes renversée〉とも呼ばれる。
 パイ生地はpâte brisé だが、このパイ、バター風味が決め手、〈pur beurre〉と明記されているものか、できたら自家製を使いたい。2時間ほど寝かせておく。
 1時間経ったところで、カラメルの準備。ステンレス製の小鍋に砂糖120グラムをとり、それが浸るくらいの水、そしてレモンの搾り汁数滴加え、中火にかける。熱が均等に行きわたるるように鍋を前後に揺すりながら火を通していくと美しいカラメル色になる。ここで小さく切っておいた有塩バターを70グラム混ぜ入れる。このカラメルを、バターを塗った深めの24センチの型に流し込む。次はリンゴ。ロイヤル・ガラとかレネットがいい。大きさ次第だが5、6個必要だ。皮をむいて四つ割りにし、芯を切り取る。両端の細めの部分も切り取り、皮をむいた方から見て正方形に近い形にする。このへんでオーブンの目盛りを200度に合わせて点火。
 カラメルの上に、リンゴを、皮をむいた側を下にしてキッチリと並べていく。さらに先ほど切り取ったリンゴの細い部分をすき間に差し込む。これを熱くなっているオーブンに入れて20分焼く。その間に2時間寝かせておいた自家製のパイ生地を3センチの厚さに円形に伸ばす。20分経ったら型をオーブンから出し、生地をリンゴにかぶせる。はみ出た分は、型の縁の内側にそって押し入れるようにするといい。余分な部分を切り取る。これをオーブンに戻し、さらに30分ほど焼いて、パイ生地にきれいな焼き色がついたらでき上がり。5分ほど置いたら(すっかり冷めたらカラメルが固まって型から出すのは不可能!)、型より大きめの皿をかぶせて引っくり返す。少し冷まして食べた方がうまい。生クリームを添えるといい。(真)
4人分:リンゴ約1kg、砂糖120g、有塩バター70g+20g、
レモンの搾り汁数滴、水少々。
パイ生地:分量、作り方は下欄参照。

●pâte brisée
 生地を作り始める30分前にバター125グラムを冷蔵庫から出し、さいの目に切ってから室温に置いて柔らかくする。時間がない時は、解凍モードの電子レンジに入れて10数えればちょうどよくなるはずだ。
 大きなボールに小麦粉250グラムをとる。真ん中にくぼみを作り、そこへ、小さじ半杯の塩(有塩バターを使うなら不要)、そして砂糖味のタルト用なら砂糖大さじ2杯を入れ、さらにバターを加える。指先でそのバターを細かくしながら粉と混ぜ合わせていく。水を大さじ4〜5杯ほど加えて、素早くこね合わせながら、まとめるような感じで玉にする。しなやかだが柔らかすぎず、指にくっつかない、というのが目安。練りすぎると焼き上がりが固くなる。この玉をラップでくるんで冷蔵庫に最低2時間はねかせておきたい。
●リンゴの揚げもの
 オーブンがない人でも簡単にできる、子供たちが大好物の、デザートというよりはおやつです。
 まず衣の準備です。ボウルに小麦粉125グラム、塩ひとつまみ、、砂糖大さじ1杯を加えて混ぜ合わせ、真ん中にくぼみを作り、そこに割りほぐした卵と油を加える。木のヘラを使って、卵、油と小麦粉を混ぜ合わ、次いでビール130ccを少量ずつ注ぎながら、全体が均一でなめらかな状態になるまでミックスしていく。ビールがイーストのかわりなので、その効き目が出るまで、約2時間は寝かせる必要がある。
 リンゴ4個の皮をむき、リンゴ用の芯抜きvide-pommeや先のとがった皮むきcouteau économeを使って芯をくり抜いてとり出し、厚さ5ミリくらいの輪切りにする。色が変わらないように、レモンの搾り汁を振りかけておく。
 フライパンやテンプラ鍋に落花生油 huile d’arachideやヒマワリ油huile de tournesolをたっぷりとり、180度くらいに熱くなったら(テンプラを揚げる時と同じくらいの温度)、輪切りのリンゴにたっぷりと衣を付けて順々に揚げていく。きれいな色がついてきたらひっくり返し、もう2、3分で、キツネ色にふっくらと揚がっているはずだ。網杓子などを使って取り出し、油切りやクッキングペーパーにのせて油を切る。粉砂糖を振りかけて熱々を食卓へ。大人はカルバドスを振りかけてフランベ!


Tarte Tatin