Colonel Moutarde イラストレーター 11区は多国籍社会。

 パリ東部の11区はペール・ラシェーズ街に、庭付きの大きなアパルトマンを持ち、ディオールをはじめ高級ブランドや多くのモード誌に、イラストを提供してきたコロネルさん。一見、BOBO風の気取ったライフスタイルを送っているかと思いきや、「朝から晩まで、仕事と子育てに追われるヘトヘトの毎日よ!」子供の誕生を機に、カップルでの外出もなくなったし、病気になる暇もない。6歳と2歳の子を持つ母として、パリは「とても住みやすい街だわ。うちの近所だけでも、ロケット通りのスクエアやベルヴィル公園など、緑が豊かだし、催し物がいっぱいだもの」。週末は まるまる子供のために時間を費やす。彼らの移動手段はすべてメトロ、パリ中を縦横闊歩する。以前はベルヴィル界隈に暮らしていたコロネルさん一家、3年前、二人目の子の誕生を機に、今のアパルトマンへ移ってきた。
 「この地区のいいところは、色んな人種や宗教が肩を並べて、多様なカルチャーを生みだしているところ。子供たちも早いうちから、多国籍社会に身を置けるから素晴らしい」という。でも、ここを選んだ一番の理由は「ヌヌー(子守り)につきるわ! 11区で素晴らしいヌヌーに恵まれたから、ぜったい彼女のそばを離れたくなかったの」。競争率がとりわけ激しい11区では、例にもれず託児所に登録することができなかった。しかし、いいヌヌーにめぐり会えたから、今は仕事も順調だ。
 そんなコロネルさんが唯一、苦手なパリは「パリっ子の運転よ ! 車も自転車も始末が悪くて無礼者ばかり。まったく油断がならないわ」。レピュブリック通りでは、何度もベビーカーをひかれそうになって、死ぬ思いをしたという。
 今は自由な時間がほとんどないけれど、「それも選択よ。子供の成長と共に、彼ら特有のカラフルでポップな世界を切りとっていくのが、一番の楽しみ」と語る。そして「何か滑稽さをともなう感じが好きなの。そこにちょっとピリ辛のアクセントが加わると、なおいいわ」とも。子供たちに大人気の推理ゲームCluedoのキャラクター〈マスタード大佐〉をペンネームに持つコロネルさんの目に映るパリは、ユニークで愛嬌者、一秒ごとに変化を遂げる万華鏡なのである。(咲) 

●Le Jardin des Dunes a la Villette
 ラ・ヴィレットの一角にある無料の遊具施設。まるで黒ブーダンのような形のトランポリンやターザンロープに乗って、子供たちは大はしゃぎ。「彼らがここで午後いっぱい過ごした夜は、ぐっすり眠りにつき、翌朝バッチリ体力を回復するわ」。近くには、ウルク運河沿いをそぞろ歩きする人や、芝生にお弁当を広げる家族連れが見え、パリとは思えない、のどかな風景。「ここには、ちょっとしたバカンス気分を彷彿させるものがある」とコロネルさん。パリ東北部や東郊外に住む人たちの憩いの場所となっている。
Parc de la Villette : 211, avenue jean-Jaures 19e
01.4003.7575 M。Porte de Pantin