高田賢三さんコレクション、オークションに。

N° 915 2021-05-01

　1965年に渡仏、ブランド「KENZO」とともにその名をモード史に刻んだデザイナー高田賢三さん（1939-2020）ゆかりの品、約600点のオークションが行われる。パリ7区のアパルトマンに置かれていた家具、調度品、美術品が主となる。

日本の漆器、陶器、中国やメキシコの骨董、ジャポニスムの陶器作家ブラックモンの食器セットや、エグルストンの写真作品コレクション、アフリカの楽器…。もちろん、それぞれが素晴らしいし、地域も時代も異なるものが調和をもって並んだカタログの写真を見ているだけで、服で表現されるのとは違ったKENZOさんの美の世界が感じられるのが嬉しい。デザイン画もあるが、油彩の自画像、〈能面シリーズ〉や静物画なども出品され、画家としての一面もうかがえる。また「Takada」ブランドのためにデザインしたが商品化されなかった服や、未完成のプロトタイプなど、服作りのプロセスが見られる品々150点もオンラインで販売される。