すでにアメリカやメキシコには存在するという子ども向けに設計された上映室。昨年末、ついにパリにも上陸した。その名も「La Salle Mômes ちびっ子映画館」。19区のショッピングセンター「Vill’up」内のシネコンがレゴ社と手を結び、カラフルな空間を実現した。
日曜の昼、大人ひとりで偵察に出かけた。ここでは主に2〜14歳向けの作品を上映する。上映前から、スクリーン前方と観客席後方に用意されたレゴブロックや芝生風坂道で、子供たちが遊んでいた。
上映作品はアニメのオムニバス『Rita&Crocodile』。映画が始まっても子供を不安にさせぬよう、室内は完全に暗くはならない。まず驚くのは居心地の良さ。寝そべることが可能な座席が多く、ベッドやカナペ(仏版ソファ)に近いだろう。腰痛の身にとても嬉しい。
夕方以降は大人も楽しめる作品が上映されるので、ひとりでもまた来ようと誓う。ただし、気持ち良すぎて寝てしまう可能性も高いだろう。
上映も半ばを過ぎると、子供たちがスクリーンを叩いたり、徒競走したりと、カオスな状態に突入。だがみなが子連れだから、言って見ればお互いさま。誰も肩身は狭くない。また普段は上映後に残っていると直ちに退場を促されるが、しばらく遊んでいられるのもポイントが高い。
さてフランスには、子供向けの上映会を実施する映画館や公共施設ならば数多い。パリの主な所でStudio des Ursulines、Nouvel Odéon、パリ・シネマテーク、フォーラム・デ・ジマージュなどがある。シネコンサートや映画アトリエも定期的に実施する。情報サイト(www.benshi.fr)は子供映画情報の宝庫。作品探しに役に立つ。(瑞)
La Salle Mômes/ Cinéma Pathé La Villette Centre commercial Vill’Up
Adresse : 30 avenue Corentin Cariou, 75019 Parisアクセス : M°Porte de la Villette
12€ /5€ (14歳未満)