● 18区・19区
アヴニュー・サン・トゥアン駅は1863年の建築。優雅な西部の駅舎に比べ簡素な建築。隣のブルヴァール・オルナノ駅など、北東部の掘割の上の駅舎の大半が同じ様式で造られています。これまで商店などに使われていた駅舎がこの春すっかり改修され、音楽ライヴ・スペース「Le Hasard Ludique」(ル・アザール・リュディック)がオープン。ほぼ連日、さまざまなジャンルの音楽ライヴが開かれる。レストランも備えたバー・カウンターの奥の大きな窓から、ずっと下の線路が見下ろせます。
掘割の線路がトンネルに入り、また出てくる。シャンピオネ通りの陸橋から、線路脇に野菜畑や鶏小屋が並び、その向こうにブルヴァール・オルナノ駅の駅舎が見える。1878年のパリ万博のときに開業した駅は、蚤の市への入口ポルト・ド・クリニャンクールにあって、カフェ・食堂+リサイクル・ショップ「La REcyclerie」(ラ・ルシクルリー)となっている。
その名のとおり、駅舎を再利用するだけでなく、家具などすべて、廃品に手をかけて再使用。さらに多様なテーマの修理教室を開くなどの活動も。線路際の小屋では古着や古道具を売っていて、畑で採れた野菜は線路を見下ろす駅食堂でも使われている。ここの料理は有機食品でなかなかおいしい。ちなみに、コーヒーは1ユーロです。
ポルト・ド・ラ・シャペルからラ・ヴィレットにかけての地域も大規模な再開発計画で、街の風景がすっかり変わっている。
19区の駅で一つだけ残されているのがポン・ド・フランドル駅。プチット・サンチュールの大高架線のたもとに金網の扉があり、奥の線路際の土手に石造りの駅舎が建っている。
1869年築の駅舎はアーティストたちにスクワットされた時期もあったけれど、SNCFとパリ市が改修して、今年の夏から”La Gare Jazz”として再生。夕方からバー・レストラン、毎夜21時からジャズやフリー・ミュージックのコンサートが開かれています。
線路はここからウルク運河を渡り、ビュット・ショーモン公園に向かう。途中のプチ通りから線路上を歩ける、という看板はあったけれど入れない。14区のディド通りなど、こういう例は他でも数カ所あった。
ビュット・ショーモン公園に入った線路は、緑の谷間からトンネルに入ります。