Ville en transition
Ville en transition(日本語ではトランジション・タウン)が増えている。直訳すると「移行中の町」。エネルギー消費、交通、経済などを変えて、石油価格が高騰しても対応できるしなやかな町を指している。石油価格が高騰した時の生活破綻を避けるために、住民たちが具体的にどうしたらいいかを提案、実行するのがトランジション・タウンだ。発案者はイギリスの大学でパーマカルチャー(衣食住を通して持続可能な循環型社会をデザインすること)を教えていたロブ・ホプキンス。市民農園、地域通貨、地産地消などを自分の住む町トットネスで行ってきた。動きは世界50カ国に広がり、フランスでは150の自治体が取り組んでいる。
パリの東のル・プレ・サンジェルヴェの町もそのひとつ。運動を促進するNPO「ル・プレ・アン・トランジション」が9月21日に創立5周年を祝い、ホプキンスの講演会を催した。ホプキンスは超ポジティブ思考の人で、気候変動の危機も社会を変えるチャンスと考え、想像力を自由にして理想社会を作ろうと呼びかけた。
5周年のイベント会場は小学校。古着市、修理カフェなどのブースが並び、講演会の後は会員手作りの野菜のクスクスとケーキが振る舞われた。食べた後の食器は自分で洗う。こんなところもトランジション・タウンらしい。(羽)