アンヌ・イダルゴ=パリ市長は、パリ市内におけるフリー・フローティング(FF)電動キックボードの存続を、市民投票にかけると語った。ル・パリジャン紙が開催した、市長と読者の対談でのべ、1月15日付の新聞に掲載された。
FFの電動キックボードは現在 Lime、Dott、Tierの3社が参入し、合計15000台がパリ市内を走っている。2020年からは指定の駐輪場に戻さないと罰金(35〜135€)が科せられるようになったため放置は減ったものの、二人乗りが多く事故も多い。
市長は環境負荷が大きいことや、上記3社の従業員の労働条件が悪いことなども挙げ「市民がキックボードを所有し使うことには賛成だが、フリーフローティングの継続には個人的には反対だ。しかし、市民の意見を問いたい」とした。投票は4月2日(日)、選挙人リストに登録している人が投票でき、投票所で行われる。この種の案件で市民投票が行われるのは極めて珍しい。
「イダルゴ・バッシング」という表現が普通に通じるほど、イダルゴ市長(社会党)は、一挙一動を批判される。特に、自家用車を締め出すためのバスレーン、自転車レーン拡大では特に自動車の利用者に長年、標的となってきた。EV自動車フリー・フローティング「Autolib’」導入では、ステーションを市内に多く配備したが、赤字となり2018年に7年間で廃止となったことなども批判の対象となった。
移動手段の移行は必須だが、転換期である現在、自転車、歩行者(乳母車)、キックボードなどがどう共存するのか。6月には新しい交通規則が発表されると同紙は報じている。(六)