フランスは、今だかつて体験したことのない自宅待機措置が発令中だ。こんな時に少しでも心を潤してくれる芸術関連のサイトを紹介したい。今日はまず、音楽、スペクタクル関係。(瑞)
【パリ・オペラ座】
過去の公演を無料公開するというメトロポリタン・オペラの英断を受けて、パリ・オペラ座も無料のストリーミング放送を決定。3月17日から6日ごとにバレエ、オペラ作品を公開する。
トップバッターは、ヴァンサン・ユゲ演出、ジュール・マスネのオペラ『マノン』。本来なら4月10日までオペラ・バスティーユで上演されているはずが、コロナ騒ぎで中止となった演目だ。
3/17~3/22:『マノン Manon』 (2020)
3/23~3/29 :『ドン・ジョヴァンニ Don Giovanni』 (2019)
3/30~4/5 : 『白鳥の湖 Le Lac des cygnes』 (2019)
4/6~4/12:『セヴィリヤの理髪師 Le Barbier de Séville』 (2014)
4/13~4/19:『ジェローム・ロビンスのソワレ Soirée Robbins』 (2018)
4/20~4/26:『ホフマン物語 Les contes d’Hoffmann』 (2016)
4/27~5/3:『カルメン Carmen』 (2017)
https://www.operadeparis.fr/
https://www.france.tv/spectacles-et-culture/
8月5日まで見られる『ジゼル』のリンク。マチュー・ガニオがアルブレヒト、ジゼルをドロテ・ジルベール、ミルタ役をオニール八菜が踊るという豪華キャスト。
https://www.operadeparis.fr/magazine/giselle-en-replay
3e Scène
パリ・オペラ座が提供する短編映像のプラットフォーム。ダンスと映像の新たな試み。アピチャッポン・ウィーラセタクン、杉本博司、ベルトラン・ボネロら有名監督や芸術家、俳優が多数参加。目を凝らしてとっておきのビデオを探してほしい。
https://www.operadeparis.fr/3e-scene
【国立オペラ・コミック劇場】
パスカル・デュサパン作曲、39歳の若手俳優で演出家としてもますます磨きのかかるトマ・ジョリーの脚本と演出による『Macbeth Underworld』。ジョリーは『ヘンリー4世』の演出・出演で21世紀の革新的シェークスピア解釈と話題(全18時間公演というのも)になり、オペラでは『エリオガバロ』『ファンタジオ』などを手がけている。3月25日からの公演は残念ながらキャンセルとなったが、パリに先行して初演されたブリュッセルのモネ劇上での公演映像が観られる。
https://www.opera-comique.com/
【メトロポリタン・オペラ】
コロナ拡大の影響で現在は劇場が閉鎖中のNYのメトロポリタン・オペラ。世界最高峰の歌劇場もネット上で公演を無料公開の太っ腹。3/16から毎晩、NY時間で19h30~(フランス時間で深夜0h30~)過去の公演映像を無料配信する。放映後は20時間後まで視聴ができる。
https://operawire.com/metropolitan-opera-to-offer-up-nightly-met-opera-streams/
【ラジオ / フランス・ミュージック局】
クラシックやジャズを中心に、質の高い音楽プログラムを提供する公共ラジオ局フランス・ミュージック。自宅待機中の人々のために、同局の音楽サイトがリンク集を公開している。
https://www.francemusique.fr/actualite-musicale/france-musique-passe-en-total-programmation-musicale-82396
例えば、無料で聴けるコンサート動画集。最近では、ラジオ・フランスのフィルハーモニー管弦楽団と合唱団を日系米国人指揮者ケント・ナガノが指揮したコンサートや、米作曲家ジョン・アダムズが自身の曲やフィリップ・グラスやストラヴィンスキーを指揮したコンサート動画など。
https://www.francemusique.fr/concerts
年齢問わず家族で楽しめる、音楽関連の知識が広がる動画や記事のリンク集。「パイプオルガンはどうやって音を出すの?」「タップダンスはどうやって踊るの?」「音楽の歴史を子供に話す13のステップ」などなど、気になる動画が盛り沢山だ。
https://www.francemusique.fr/dossiers/la-musique-pour-toute-la-famille
【フィルハーモニー・ド・パリ】
ジャン・ヌーヴェルの設計した巨大な氷山のような建物。パリ北東部の文化拠点となったフィルハーモニーは、パリ管弦楽団の本拠地。こちらも公式サイトから話題のコンサート映像が数カ月間、無料で鑑賞できる。例えば、今ならミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、ヴァレリー・ゲルギエフ指揮、ソプラノ歌手ディアナ・ダムラウによるリヒャルト・シュトラウスの『4つの最後の歌』が2020年7月20日まで鑑賞可能だ。
https://live.philharmoniedeparis.fr/
【ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団】
オンラインコンサートが30日間無料公開中。3月31日までにコード「BERLINPHIL」を入力すると、すべてのコンテンツを30日間無料で鑑賞可能。英国人指揮者サイモン・ラトルが古巣に戻って指揮したR・シュトラウスの「オーボエ協奏曲」、ベートーヴェンのオラトリオ《オリーブ山上のキリスト》もアーカイブに入ったばかり。
https://www.digitalconcerthall.com/ja/concert/52533?a=twitterjapan&c=true
コンテンポラリーダンス
【UbuWeb】
コンテンポラリー・ダンス動画の充実のアーカイブ。ピナ・バウシュ、モーリス・ベジャール、ウィリアム・フォーサイス、ラ・ラ・ラ・ヒューマンステップス、山海塾や勅使河原三郎まで。
http://www.ubu.com/dance/