新型コロナウイルス、フランス経済にも大打撃。

3月19日付ル・モンド紙

 

 欧州全域におけるコロナウイルスの感染拡大や、フランス政府による外出規制措置の強化により、経済に与える影響の懸念がますます大きくなってきた。ここ数日の政府が発表した経済的措置をまとめてみた。

  EU加盟国財務相「戦時に匹敵する状況」

 ルメール経済相は3月17日、今年の経済成長率の予想1.3%を修正し、修正予算案ではマイナス1%で計上すると発言した。前日の証券市場はダウ平均が1987年以来の大幅な下げ率12.93%を記録したほか、欧州ではパリで5.75%、ロンドンで4.71%、フランクフルトでも5.31%下落し、世界的な下落傾向となった。EU加盟国財務相はビデオ会議を開いた後、「戦時に匹敵する状況」と悲観的な見解を出した。

 マクロン大統領は12日、全学校の閉鎖とともに、可能な人は全員テレワークすること、という方針を発表した。労働省によるとテレワークが可能な人は被雇用者全体の約3分の1に相当するという。

ペニコー労働相「就業停止も100%国が補償」。

 ペニコー労働相は13日、解雇はしないようにと企業に呼びかけるとともに、コロナウイルスによる経済停滞の影響で従業員を一時的な就業停止状態にせざるを得ない企業には、国がその分の給与を法定最低賃金(SMIC)の4.5倍を上限に100%補償すると発表した。

通常は就業停止となった従業員は給与の約85%を雇用者から支払われ、国はそのうちSMIC分しか企業に払い戻さないのだが、今回は例外的措置として企業負担分を全額、国が補償するということだ。

また、学校がないため子どもの面倒を見なければならない親は病欠扱いとして社会保障金庫から給与補償を出し、両親が交代でその病欠を取れるという措置も打ち出した。

3月13日、国営ラジオ局フランスアンフォに出演し、解雇しないよう企業に呼びかける、ミュリエル・ペニコー労働相。

 ペニコー労働相によると、就業停止となった人は16日時点で2百万人。たとえば、自動車業界では、ミシュランがスペイン、フランス、イタリアの工場を少なくとも22日まで閉鎖し(仏国内では14工場1万人)、PSAも欧州内の工場を27日まで閉鎖(国内15工場)、ルノーも国内工場を当面閉鎖する。感染拡大防止の措置とともに、部品供給が困難になったり、自動車市場が停滞していることなどが理由だ。

 移動制限による航空機運航も激減し、食料品店、薬局等以外の商店・飲食業の営業停止、学校閉鎖、移動制限により、あらゆる業界で経済活動が著しく鈍化するのは必至だ。


ルメール経済相、企業支援450億ユーロへ。

 16日夜のマクロン大統領による外出規制措置強化の発表を受けて、ルメール経済相は17日、企業支援措置の規模を当初の150~300億ユーロから450億ユーロに引き上げることを発表した。内訳は3~4月の社会保険料と各種税金の支払い猶予(320億ユーロ)、就業停止による一時的失業者への給与補償に3~4月で85億ユーロ、子どもの面倒をみるために仕事を休む親への給与補償15億ユーロ、商店や自由業者への補償基金に1ヶ月20億ユーロなどだ。営業できなくなったり、売上が70%以上低下した小規模商店には一律1500ユーロの連帯保証金を支給すること、企業への銀行融資を総額3000億ユーロ政府が保証する措置もとられる。

 さらに、政府は商店等の家主に家賃徴収の猶予を奨励し、中小企業向けに水道代や光熱費支払いの猶予を呼びかけた。これだけの企業支援のための支出が増えると、財政赤字が気になるところだが、ダルマナン会計相は、火急の事態のためやむを得ないとし、今年度の財政赤字が当初予定の国内総生産比2.2%から3.9%になるだろうと発言した。

フィリップ首相も17日、事態が悪化する場合は企業を救済するために国営化の可能性もあるとするなど、経済への深刻な影響への対策や方針が矢継ぎ早に出されている。(し)


 

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