フランスでは玩具が毎日約11万個、年間で4千万個がゴミ箱行きとなっている。しかも購入された玩具のうち、およそ7割は8カ月間しか使われない。素材にプラスチックが多く使われていることも、リサイクルを難しくする要因だ。地球が悲鳴をあげるこのご時世に、リサイクルは最重要の課題と言えよう。
パリと近郊で子育て中のパパ&ママに知ってもらいたいのが、玩具のリサイクルを推進するブティック「Rejoué」。同名の非営利団体が運営し、パリ14区に店を構える。販売するのは寄付された中古玩具のみ。ぬいぐるみ、お姫様ドレス、パズル、列車、車とあらゆる玩具がそろう。平均価格6ユーロ、新品価格より約70%安い。子どもが成長した筆者は「10年前に来たかった」と地団駄を踏んだ。
さて、少し前までは当店も販売だけでなく回収もしていたが、スペースの関係で現在は残念ながら休止中。だが、パリ近郊ヴィトリー・シュル・セーヌのアトリエでは常時回収を行う。また不定期だが企業などと協力し、パリ市内でも回収活動を実施。 先月はエコ雑貨店「ナチュール・エ・デクヴェルト」の店舗が回収を引き受けた。こういった情報は流動的なので、公式サイトで確認してほしい。
昨年、Rejouéには約65トンの中古玩具が寄付された。回収後はヴィトリーの専用アトリエで動作のチェックなどをされたのち、エコ洗剤や酢などを使って丁寧に汚れを落とされる。この仕事を担当するのは主に社会復帰を目指す人々。実はRejouéは社会復帰支援施設でもある。失業者らに仕事を与えながら、企業研修や定職探しのお手伝いをしている。2012年のRejoué創設以来、約160人を社会復帰に導いてきた。
玩具を寄付すれば地球に優しく、購入すれば社会貢献に。しかも子どもは環境問題への意識が自然に育まれる。目から鱗の素晴らしいシステムなのだ。(瑞)
Rejoué 中古玩具店
Adresse : 140 rue du Château, 75014 ParisTEL : 09.5491.3075
アクセス : M° Pernety
URL : https://rejoue.asso.fr/
水~土11h-19h。パリ近郊に中古玩具店(Centre Commercial Quais d’Ivry内)と玩具の回収・清掃アトリエ(20 avenue de l’Abbé Roger Derry 94400 Vitry-sur-Seine)がある。