Philip Guston – L’ironie de l’histoire

画家フィリップ・ガストン(1913-80) は1969年に小説家フィリップ・ロスと知り合い、ロスがニクソン大統領とその取り巻きを風刺して書いた小説『われらのギャング (Our Gang)』に共鳴し、デッサンを描いた。この〈ニクソン・ドローイング〉全80点と油彩を中心に構成された展覧会がピカソ美術館で開催中。
ガストンは30年代ニューヨークで高校の友人ジャクソン・ポロックほか、ウィレム・デ・クーニング、マーク・ロスコーらと知り合い、ニューヨークの前衛的な抽象表現主義の作品で名をなすものの、70年代には具象に戻り、白頭巾をかぶった 白人至上主義を掲げる団体 KKK(クー・クラックス・クラン)をコミカルなスタイルで描くなどし、美術界から批判を受けた。
ガストンはユダヤ系ウクライナ人の両親のもとカナダに生まれ、幼少でカリフォルニアへ移住したが、30年代から KKKの蛮行を描いて警察に作品を破壊されるなど、早くから人種隔離に批判的だったことが知られている。今こそ(いつの時代でもそうだが)そんなガストンの作品を多くの人が観て、差別の問題が議論されるべき時なのだが、近年はワシントンのナショナル・ギャラリーや英テート・モダンなど高名な美術館4館が、鑑賞者たちがガストンの込めた社会的メッセージをきちんと理解せずに論争が起こることを避けるため、展示を見合わせている。なんという「歴史の皮肉」だろう。(3/1まで)

Musée national Picasso-Paris
Adresse : 5 rue de Thorigny, 75003 Paris , Franceアクセス : Saint-Paul (Ligne 1)/ Saint-Sébastien Froissart (Ligne 8)
URL : https://www.museepicassoparis.fr
月休、火〜日:9h30-18h 16€/12€


