ネネット、50歳。動物園のスター・オラウータン 。


その姿を一目見ようとやって来る大勢の人間たちを、ネネットはガラス塀のなか、高いところから見下ろしている。時に降りてきてはこちらを一瞥(いちべつ)する。目が合ったような気がして、こちらの胸はドキンとする。

パリ植物園内にある動物園のスター、ネネットは今月16日で50歳。飼育オランウータンの平均寿命は35年といわれ、世界でもトップ20に入る長生き婦人。パリで子ども時代を過ごした人なら、1回は会ったことがあるだろう。10年前には劇場公開されたドキュメンタリー映画『ネネット』の主人公にもなっている。この映画はベルリン映画祭でワールドプレミア上映、公開の翌年、2011年には山形ドキュメンタリー映画祭でも紹介されている。

ニコラ・フィリベール監督の『ネネット』(2010)。

ネネットの故郷ボルネオではこの20年間で森が8割減り、オランウータンは半減。ネネットは密猟で囚われの身となり、1972年6月16日、推定3歳でこの動物園に迎え入れられた。その後、2頭のオスとそれぞれ息子を2頭もうけ、孫2頭、ひ孫が2頭。今日ヨーロッパにいるオランウータン344頭のコミュニティー形成に貢献した。息子4頭のうち1頭は、日本の霊長類研究所に養子入りしたという。

16日はバースデーケーキを囲んでのパーティー*だ。ライブでお絵描きも披露する。今までも作品を売って、その収益を住まい拡充の工事費に充ててきた。絵の具は、緑色が好きなのだという。(六)

ネネットが暮らす、風情あるレンガ造りの猿舎。

ネネットと一つ屋根で暮らす、右はテオドラ(31歳)と生後6カ月のジャヴァ。父親のバンギ。

6月16日(日)予定

– 11h : ニコラ・フィリベール監督『ネネット/Nénette』上映。フィリベール監督来場、動物園のネネット飼育係、延長とディスカッション。無料。
– 14h45 : ネネットにバースデーケーキ進呈。
– 16h : ネネットによるライブ・ペインティング。飼育係のコメント付き。
– 16h30 : ロトンド来場者へのおやつ配布。

子どもの頃に来た動物園に子どもや孫を連れてくる。老舗動物園ならでは。


La Ménagerie du Jardin des Plantes

Adresse : 57 rue Cuvier 5e, 75005 Paris , France
URL : https://www.mnhn.fr/
パーティーは11h-16h30。通常の入園料 (13/10€)で見学可。

 

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