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組み立てる玩具といえば、フランスでは昔ながらの積み木や「カプラ」、「レゴ」、マグネットを使ったものなどが人気だが、中年以上の男性がノスタルジックに思い出すのは、金属製の本格的な組み立て玩具「メカノ」だそうだ。国内にはマニアのクラブが5つ(計5千〜7千人の会員)あり、オリジナル作品の展覧会も開催されている。そのメカノの工場をカレー市郊外に訪ねた。
メカノは車、バイク、飛行機、ヘリ、船といった乗り物系から、エッフェル塔、ロボットなど、50から数百のパーツをレンチとスパナで組み立てる玩具(5歳以上)。メカ系の子どもや大人には根強い人気がある。もともとは1898年に息子のためにクレーンの組み立て玩具を作った英国人フランク・ホーンビーがリバプールに設立した英企業だった。手巻きで荷を吊り上げるクレーンは大人気となり、今でもメカノのアイコン的商品。今は生産されていないが、10年ごとの節目にリバイバル販売される。
欧州大陸市場のために1921年にはパリのベルヴィルに(69年閉鎖)、59年にはカレーに工場を建設。リバプール工場は79年に閉鎖され、カレー工場が生産の中心地となり、名実ともに仏メーカーになった(2001~07年には日本のNikkoの傘下にあった)。100%金属製だったのが、低年齢向けの安全基準やカーブのあるパーツの必要性から90年代からプラスチックを導入し、今ではメタル20%、プラ80%と逆転した(年齢が上の製品はメタル60%)。2000年には米Electorを買収して米市場の販路を拡大したが、競争激化で業績が悪化し、2013年にカナダの玩具スピン・マスターに買収されて現在に至る。
メカノの商品はシンプルなパーツでできているため、説明書通りに作ったら終わりではなく、バラしてパーツを加えれば全く別のものを作ることもできる。実際、パーツを集めて何倍も大きなものを作る楽しみ方をする人もおり、同社の事務所には高さ1mのエッフェル塔などの巨大な作品があちこちに置いてあった。カレー市街地にはメカノ博物館「Meccano Lab」(下のビデオ参照)もあり、メカノの大型作品約15点のほか、メカノの歴史も紹介されており、ワークショップもある。
5000㎡の工場にはスティールの帯をプレス成形する機械やプラスチック成形の大きな機械が並んでいるが、現在この工場で作っているのはメカノブランドの3分の1(欧州向け)で残りは中国で生産している(米、オセアニア、アジア向け)。しかし、2020年にはすべての製造をカレー工場に戻す予定だ。
商品の回転が速い玩具は毎年、シーズンごとの新商品開発が重要。スタッフ3人のR&D部門のチーフ、ベルナール・フルエさんは子どもの頃からのメカ系玩具マニア。世の中の流れ、子どもたちの声、Maker Faireといった世界の 「作る系」見本市などを見て毎年20の新商品を開発する。「想像力とDIY能力が必要とされる仕事」だそうだ。デジタル時代で組み立て玩具離れが進んでいるようだが、苦労してモノを作り上げる喜びはいつの世も変らないのだと思う。(し)
今回紹介したMeccano組み立て玩具「四輪駆動車 Evolution6200」(8歳以上)を読者1名様にプレゼントいたします。詳しい応募方法はオヴニーニュースレターにて。ニュースレターのご登録はこちら。
Le Meccano Lab
Adresse : 52 boulevard Jacquard, 62100 Calais , FranceTEL : 03.21.82.68.69
URL : www.meccano.com
火〜日14h-18h。月と祭日は休館。入場無料。