新装オープン、バルザックの家。

平屋のように見えるが、3階建て邸宅の最上階にあたる。1840年から7年間、バルザックは、この庭続きの
5部屋(キッチンと2つの小部屋付き)のある家を借りて暮らしていた。

パリ16区、セーヌ川を見下ろす高級住宅街パッシーの丘。その一角に、フランスを代表する文豪、オノレ・ド・バルザックが晩年を過ごした、庭付きのアパルトマンが残っている。昼夜を問わず執筆した書斎など、情熱的な作家の暮らしぶりを今に伝えてくれる場所だ。一年がかりの改修工事を終えて、7月下旬に再オープンしたバルザックの家へ足を運んでみた。

「私を守ってくれる静かな家」とバルザックが手紙に記した住まいは、大きな高低差がある2つの通りの合間に隠れるように佇んでいる(贅沢三昧で借金取りから逃げ回っていた小説家には、おあつらえむきの立地だったのだ)。そのため、以前は、狭く急な階段を上り下りしないとアクセスができなかった。しかし、今回の改修で、バリアフリーに対応したガラス張りのモダンなエントランスの建物が誕生。ベビーカーや子ども連れでも訪れやすくなった。建物の中には、バルザックにまつわる本を購入できるブティックと、オーガニックのスイーツや軽食で人気の「ローズベーカリー」のカフェも。さらに、エッフェル塔を望む650㎡の庭にも、芝や植え込み、果実畑などが新たに作られ、より心地よい空間へと生まれ変わっている。

Raynouard通りに面した新しいエントランスと、庭に続くガラス張りの建物。屋外イベントも多く、この日は、音楽学校の生徒たちによる演奏と朗読会も。芝生に座って、親子でのんびり。

一方で、パリに現存する唯一のバルザックの住居そのものには手を加えず、常設展のディスプレイを一新。ターコイズと金が輝く愛用のステッキ、いくつもの手書きの修正跡が残る『老嬢』の原稿、『人間喜劇』シリーズの登場人物2500人の系図など、貴重な品々や資料が並ぶ。子どもと一緒なら、6歳以上を対象とした、語り手によるガイド付き親子見学会(大人7€、こども5€要予約)がおすすめ。ちいさな読書家たちが次々と好きな登場人物の名前を挙げ、まだ作品を読んだことがないちびっこも夢中に聞き入る姿に、時代を越えて愛され続ける物語の力を実感するはず。(裕)

親子で参加できる、バルザックにまつわるお話付き見学。語り手が、約一時間かけて、小説家の逸話、展示品や部屋の見どころなどを、じっくり話してくれる。

カフェイン中毒だったバルザックの
イニシャル入りリモージュ焼きのコーヒーポット。

Honoré de Balzac(1799-1850)


Maison de Balzac

Adresse : 47 rue Raynouard, 75016 Paris , France
TEL : 01.5574.4180
アクセス : M°Passy/La Muette
URL : www.maisondebalzac.paris.fr
料金:常設展と庭は入場無料 企画展 『バルザックと風刺画家グランヴィル』2020年1/13まで。8€ /6€/18歳未満無料 火~日 10h-18h、祝休

 

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