
© 2026 Estate of Leonora Carrington / ADAGP, Paris © NSU Art Museum Fort Lauderdale
「メキシコではフリーダ・カーロと同じくらい有名だ」と本展のコミッショナーが言う、レオノーラ・キャリントン(1917-2011)の回顧展が開催されている。
イギリスの裕福な家庭に生まれ、幼い頃から絵の才能を発揮した。美術学校を卒業し、ロンドンの国際シュルレアリスム展で見たマックス・エルンストの絵に魅了された。その1年後、作家本人に出逢い、恋仲になった。キャリントン20歳、エルンスト46歳。南仏に家を買い、2人で制作三昧の生活を送ったが、エルンストはドイツ人だったため当局に連行された。
ひとりになったキャリントンは神経を病み、精神病院に入院させられて薬物治療を受けた。その後2人は再会したが、互いに別の伴侶がおり、よりを戻すことはなかった。キャリントンはメキシコに移住し、ハンガリー人写真家と結婚して、家庭を持つ。
アーティストとして安定したキャリアを築いたのはメキシコでだった。彼女が描くのはケルト神話、神秘主義、錬金術、先住民の文化などが混じった独自の世界で、住む場所が変わっても年齢を重ねても、その作風には一貫性がある。17歳の時の水彩画は、自分が作った物語の登場人物を描いたもので、豊かな想像力と精緻な筆で、その後の才能の開花を予感させる。フェミニストだったが、作品で声高に訴えることはなかった。
奇妙な人物や動物、風景が織りなす複雑な世界から浮かび出てくるものを見る人の解釈に任せるような自由さがある。会場では、エルンスト、シュルレアリストでメキシコに移住した親友の画家、レメディオス・バロの作品も展示されている。(羽)7月19日まで。



Musée du Luxembourg
Adresse : 19 rue de Vaugirard, 75006 Paris , Franceアクセス : Odéon
URL : https://museeduluxembourg.fr
10h30-19h 月-22h 無休 14€/10€ museeduluxembourg.fr



