
フランスの鉄道の旅に欠けるのが食堂車だ。鉄道が高速化したとはいえ、料理・鉄道大国でありながら車内には画一的なサンドイッチしかないのが残念でならない。テーブルクロスがかかったテーブルに着いて、景色を眺めるあの幸福感!…ノスタルジーにかられ 「ル・ヴァゴン・ブルー」へ。
1925年製のオリエント・エクスプレス車両が廃棄されそうだったのをコルシカ人経営者が買い取って料理店にしたもの。今の経営者も若いコルシカ人夫婦で、新世代コルシカ料理が看板だ。窓からはサン・ラザール駅とノルマンディーを結ぶ線路を走る電車が見える。照明は控えめで、夜汽車の食堂車にいるようなムード。

前菜には、コルシカの栗入りフムス、豚と子牛の合挽き肉団子、コルシカのサラミ盛合わせなどもあるが、ヤギ乳チーズのフライ「Buglidicce」と、ブレット(フダンソウ)とネペタ(コルシカ産ミント)とヤギ乳チーズを団子にして、トマトソースで焼いた「Storzapretti」を頼んだ。主菜はカラスミのパスタと、ビールとイチジクでマリネした豚肉とピューレ。ワインは南部サルテーヌのSan Micheliの赤。シャカレッロ種、ニエルッキオ種をブレンドした明るいルビー色、軽やかで複雑な味わい。時おり通る電車の音を聞きながらコルシカの旅を楽しんだ。(六)




Le Wagon Bleu
Adresse : 7 rue Boursault, 75017 Paris , FranceTEL : 01.4522.3525
アクセス : M°Rome
URL : https://www.lewagonbleu.fr
月休。火〜土 : 12h-14h45/19h-22h30(夜は19hからと21hから、サービス2回)、日:12h-16h。前菜10-12€、主菜19-24€。デザート9€。
